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企業会計の基本!管理会計と財務会計の違い

2017-03-16 15:25:00
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会計と聞くと経理や簿記をイメージされる方が多いと思いますが、それだけではなく、経営方針の判断や決算にも関わる重要なものになります。

細かく見ていくと、「企業会計」という普段からしている会計業務があり、そこから社内に会計活動の結果を報告するための「管理会計」、社外に会計活動を報告するための「財務会計」の2つにわかれます。

今回は会社の会計の基本となる企業会計、管理会計、財務会計がそれぞれどのようなものなのかご紹介します。

 

【目次】
企業会計とは
企業会計7つの原則
財務会計とは
管理会計とは
まとめ

 

 

企業会計とは

会計は「管理会計」「財務会計」が一般的に認知度が高いと思います。この2つの会計には「企業会計」という基盤があることはご存知でしょうか。

会社の多くは事業を営むために、商品の販売や営業取引など経営活動を日常的にしています。
その中で発生したお金のやり取り、営業成績などの活動結果を記録、計算、報告している会社もあるかと思います。この記録、計算、報告をする方法が企業会計となります。

企業会計は報告先によって2つの会計にわかれます。
経営者など社内に報告する会計は「管理会計」となり、いかに効率よく活動をして良い結果を出すかなど、会社の今後のビジョンを考えることが目的となります。
銀行や出資者などの外部に報告をする会計は「財務会計」となり、目的として融資や出資のための情報提供などがあります。

そして、企業会計には7つの原則があり、この原則を守らなければ管理会計や財務会計も行うことができません。

 

 

企業会計7つの原則

以下の原則は昭和24年に企業会計制度対策調査会が公表した会計基準となります。

業種や規模などが異なる企業が同じ基準で、それぞれにあった会計処理が出来るようにするための指針として示されているものです。

 

一 真実性の原則
二 正規の簿記の原則
三 資本取引、損益取引区別の原則
四 明瞭性の原則(適切開示の原則)
五 継続性の原則
六 保守主義の原則
七 単一性の原則

 

真実性の原則

条文:企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

解説:企業会計の会計処理は、企業にあった処理方法を選択出来る「経理自由の原則」に基づいて、更正かつ適切に行わなければなりません。
それは、誰が計算や処理を行っても全く一致するような正確さではなく、明らかに結果が変わらない程度の正確さの範囲で十分とされています。

*経理自由の原則
業種、規模、経営方針などが企業によって様々で、1つの会計処理の原則だけでは正確な会計処理が出来ません。
そのため、企業は代わりとなる会計処理の原則やルールを複数定めて、更正かつ適切な会計処理を行えるものを選択できることが経理自由の原則になります。

 

正規の簿記の原則

条文:企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

解説:企業会計は正確な会計帳簿を作成するために3つの要件を満たすことが必須になっていて、複式簿記で作成した会計帳簿が要件を満たしたものと言われています。

・企業の経済活動のすべてが網羅的に記録されていること(網羅性)
・会計記録が検証可能な証拠資料に基づいていること(立証性)
・すべての会計記録が継続的・組織的に行われていること(秩序性)

*複式簿記
商品を仕入れると支払が発生する、商品が売れると在庫が減る、などの取引を借方・貸方の2面から見ることが出来る記帳法です。
損益などを正しく見ることができるだけではなく、記帳が正しく行われているかも確認出来るため、企業会計の基盤とされています。

 

資本取引、損益取引区別の原則

条文:資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。

解説:会社設立の元手となる資本金の増資や減資など、資本の修正で差異として発生した「資本剰余金」、企業が生み出した利益の積立金となる「利益剰余金」を混同させないように区別し、健全な経営を行いましょうということです。

*資本剰余金
資本金に含めない剰余金(利益から支出を引いて残ったお金)のことです。例えば、株主などの投資家からの出資金で資本金にいれなかった部分が資本剰余金となります。

また、以下の2つも資本剰余金に含まれます。
・資本を増減させる取引から発生したものので、資本金に含めない「資本準備金」
・資本準備金以外のものとなる「その他資本剰余金」

*利益剰余金
企業の利益を増減させる損益取引から発生する剰余金のことです。例えば、商品を仕入れて売る場合は仕入れによる支払と売れることによる利益が発生するので損益取引に該当し、発生した利益は利益剰余金となります。

また、以下の3つも利益剰余金に含まれます。
・会社法によって株主への配当などで積立てなければいけない「利益準備金」
・株主総会の取決めで任意に積立てられた「任意積立金」
・利益準備金や任意積立金以外で積立てられている「繰越利益剰余金」

 

明瞭性の原則(適切開示の原則)

条文:企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。

解説:銀行、株主などの投資家などが企業に信用して融資、出資などするかどうかの適切な判断が出来るように経営状況や営業成績などを財務諸表として数値化し、報告を必ずします。

財務諸表の内容は様々ですが、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」があります。この内容を誤りや不正がない明瞭でわかりやすいものにしなければなりません。
また、必要に応じて付属明細票などを添付して補足を行うことがあります。

 

継続性の原則

条文:企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。

解説:経理自由の原則によって企業会計の会計処理は、企業にあった処理方法を選択出来る自由がありますが、期ごとなど頻繁に変更することが出来ません。

それを認めてしまうと、損益の操作が出来る状態になってしまったり、期ごとに比較がしにくくなってしまうなどの問題が発生するためです。

ですが、経営方針の変更、経済環境の変化に適応するため、従業員の増減などによる経費精算方法の変更など、正当な理由がある場合は変更が認められます。

 

保守主義の原則

条文:企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。

解説:企業が健全に発展かつ継続的に活動していくためには、将来起こるかもしれない危険に備え、慎重で保守的な会計処理をしなければなりません。

*保守的な会計処理
収益は可能な限り確実なものだけ、費用は漏れのないように計上し、利益を控えめに計上しながら資金が社外へ多く流れてしまわないようにすることです。
ただし、過剰な保守的な会計処理を行うと適正な損益を算出できなくなってしまうため、真実性の原則に反してしまうので注意が必要です。

 

単一性の原則

条文:株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。

解説:企業は株主総会への提出のため、外部・内部の信用、税の申告など、それぞれの目的や規則に合わせた財務諸表をそれぞれ作成する場合があります。
その際は、事実と異なる内容とならないように必ず基となる1つの財務諸表から作成し、単一性を持たなければなりません。(実質一元・形式多元)

*実質一元・形式多元
財務諸表は「会社法」「財務諸表等規則」「金融商品取引法」など様々な法律、株主総会への提出や融資や出資のためなど様々な目的により作成が義務付けられています。
財務諸表は1つしか作成出来ないというわけではなく、法律や目的に応じて複数作成しても問題はありません。

ただし、内容を変更して作成しまうと事実や真実からかけ離れたものになるので、単一の財務諸表から情報を抜き出して組み合わせて作成します。
このことを「実質一元・形式多元」と呼んでいます。

 

 

 

財務会計とは

財務会計は冒頭でお話したとおり、社外に会計活動を報告するための会計となります。

会社は成長や存続するために銀行や株主など利害関係者はなくてはならない存在かと思います。
利害関係者に経営状況や営業活動の結果を正しく報告するために財務諸表に基づいた有価証券報告やIR情報などを開示します。また、利益の分配や分配する時の割合などの調整も大事な役目になります。

ビジネスのグローバル化が進んでいる今の時代、財務諸表の作成も国際基準に基づいて行わなければなりません。
財務会計は法律や基準によって厳しく定められているため、正しい会計処理を行い、記録することが必須となります。

 

管理会計とは

利害関係は会社外だけではなく、社長や役員などの経営者など会社内にもいます。管理会計はそのような関係者などに社内の経営管理を行うための経営状況などを提供するためにある会計になります。

社内の経営者や役員のために行っていることが多いため、内部報告会計とも呼ばれています。
経営活動をより健全に継続して行うための決定や判断をするために、内部資料として営業成績を見るために顧客別、商品別の損益計算書を作成したり、事業戦略のために事業別の損益計算書を作成を行います。

 

まとめ

財務会計と管理会計は同じ会計でも目的や報告の対象が異なります。それぞれの会計があってはじめて会社経営を外部と内部から出来る様になりますし、経営を未来を握る大事なものとなります。
また、この2つの会計の根本である企業会計や原則を理解し、正しい会計処理を目指していくことも大切になります。

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