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経理・財務の基本!財務諸表の基本とチェックポイント

2017-09-27 12:55:00
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決算の時期になると「財務諸表」という言葉を耳にすることがあるのではないでしょうか。経理や会計など会社のお金に携わっていて知識を持っていても読み解くのはとても難しいものです。

財務諸表は決算に必要な書類として、「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー計算書(C/S)」をひとまとめにしたもので、決算書とは異なるものになります。

決算書と混同してしまいがちですが、決算書は法人税法などの税法に基づくもの、財務諸表は金融商品取引法に基づくものとして、用意する書類が異なります。

今回は財務諸表を読み解く基本的なポイントをまとめましたので、興味を持つきっかけやこれから作成するために勉強したいなどの参考にしていただければと思います。

*財務諸表の作成などに関する詳細は、会社の公認会計士など詳しい士業の方へご確認ください。

 

【目次】
財務諸表ってなに?
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
- キャッシュフロー計算書(C/F)
財務諸表のチェックポイント
- 貸借対照表(B/S)のチェックポイント
- 損益計算書(P/L)のチェックポイント
- キャッシュフロー計算書(C/S)のチェックポイント
まとめ

 

財務諸表ってなに?

財務諸表は一言でまとめると、会社の経営状況をまとめた健康診断書のようなものです。
「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー計算書(C/S)」の3つの書類で構成されていて、決算資料として必要不可欠なものとなります。

財務諸表が読めるようになると、会社の利益・損益など会社のお金の動き、経営状況が理解出来るようになり、過去から現在までどのように活動してきたかを見ることや、この先の経営戦略をどのようにしていくべきかを考えるスキルが身につきます。

3つの書類が具体的にどのような役割を持っているのかを見ていきましょう。

 

貸借対照表(B/S)

賃借対照表は、会社がどのような資産・負債をどれくらい持っているのかの財政状況を示したものになります。

貸借対照表は、左側に会社が所有している有価証券や現金などの財産をまとめた「資産の部」、右側に借入金などの負債をまとめた「負債の部」、経営の元手となるお金などをまとめた「資本(純資産)の部」があり、左右の合計額が同じ金額になるのが特徴です。

つまり「資産 = 負債 + 資本(純資産)」という貸借対照表等式という計算式で表が成り立っているということになります。

左右で合計金額が一致することから、バランスシート(Balance Sheet)や、「B/S(ビーエス)」の略称で呼ばれています。

 

損益計算書(P/L)

損益計算書は、会社がどれくらい利益をあげているのか、利益をあげるためにどれくらい経費を使用したのかを示したものになります。

決算の会計期間で大きく6つの損益に分類されます。

 

「売上高」

会社の本業で得た利益を示したもの

 

「売上総利益」

売上高から売上原価を差し引いた純粋な売上に基づいた利益を示したもの

 

「営業利益」

売上総利益から人件費や販管費などを差し引いた本業の営業活動で得た利益を示したもの

 

「経常利益」

営業利益に営業外利益を足した会社の事業全体の利益を示したもの

 

「税引前当期利益」

経常利益に特別利益を加算し、特別損損失を差し引いて実際の利益を算出したもの

 

「当期利益」

税引前当期利益から法人税などの税金を差し引いた利益を算出したもので、純利益とも呼ばれています

 

会社全体の損益を見るための表と言われていることから、Profit and Loss Statementの略称で「P/L」とも呼ばれています。

 

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、実際に会社でどれくらいお金が出入りしたのかの資金繰りの状況を示した、会社の家計簿のようなものになります。

大きく3つのキャッシュフローで構成され、計算方法は、現金収支に係る損益を計算する「直接法」、損益計算書を元に損益を計算する「関節法」の2つがあります。

 

「営業キャッシュフロー」

会社の本業で得た利益から支出を引いて算出したもので、直接法、間接法のどちらでも作成が可能です

 

「投資キャッシュフロー」

固定資産や有価証券の取得・売却などから発生する資金の動きを示したもので、直接法で作成します

 

「財務キャッシュフロー」

借り入れ、社債の発行などの財務活動から発生する資金の動きを示したもので、直接法で作成します

 

お金の収支を把握するための表であることから、Cash Flow Statementの略称で「C/S」や「C/F」と呼ばれていることもあります。

 

財務諸表のチェックポイント

財務諸表がどのようなもので、3つの書類で構成されていることはご理解いただけたかと思います。
ですが、それだけでは読み解くのは難しいと思いますので、各書類の基本的なチェックポイントをまとめてご紹介します。

 

貸借対照表(B/S)のチェックポイント

1.自己資本比率を算出して財政状況を知る(資産(純資産)の部)

財務諸表を読み解く際、最初に注目していただきたいのが「資産(純資産)の部」です。資産(純資産)は、株主資本、自己資本、純資産の3つで構成された経営の元手となるお金です。

総資産に占める資産(純資産)がどれくらいあるのかによって会社の財政状況がおおよそ理解できるようになります。その割合を「自己資本比率」といい、次の計算式を使って算出します。

自己資本比率(%) = 純資産 ÷ 総資産 × 100

自己資本比率は高いほど安定している状態と言われ、平均比率は40.6%となっています(金融業、保険業を除く)。
一般的な目安として平均を上回れば安定した経営活動ができている、下回ると倒産の危険があると覚えておくと良いでしょう。

 

参考元:財務総合政策研究所|年次別法人企業統計調査(平成28年度)

 

2.資本金と利益余剰金のバランスを見る(資産(純資産)の部)

自己資本比率で会社の財政状況をおおよそ知ることができますが、さらに細かく内訳をみることも必要です。

例えば、資本金が1,000万円あっても利益余剰金がマイナス800万円の場合、安定していると言えないですよね。
利益余剰金は会社の利益を積立てたもので、ここでマイナスが出れば赤字を出したということになります。
つまり、赤字を出し続ければ資本金が減少し自己資本比率も下がってしまいますので、注意して見ましょう。

 

3.資産の状況を知る(資産の部)

資産には、現金や売掛金などの1年以内に現金化できる「流動資産」、特許権や自社ビルなどの長期に渡って保有する「固定資産」があります。

2つの資産を理解していれば、例えば、流動資産が4,000万円、流動負債が1,000万円ある場合、負債が資産を上回っているわけではないので、ただちに財政が危機的状況になる可能性は高くないと見ることができます。

 

4.負債の状況を知る(負債の部)

負債には、支払手形や買掛金などの1年以内に支払わなければならない「流動負債」、社債や長期借入金などの1年以上後の支払になる「固定負債」があります。

それぞれの内訳を細かく見ていくと、返済しなければ行けない会社の借金の状態が見えてきます。それによって、必要な借入金なのかや会社が返済する力があるのかなどを考えられるようになります。

 

5.売上と仕入、売掛金と買掛金を比較する(資産の部・負債の部)

資産にあたる売上と売掛金、負債にあたる仕入れと買掛金を見比べてみて、数カ月分の金額が記帳されていたら「回収期間が長引いている取引先がいる」、「支払が滞っている」などが推測されます。

このような状況を早い段階で発見し、対処することも経営において大事なことになりますので、チェックすべきポイントとしておさえておきましょう。

 

損益計算書(P/L)のチェックポイント

1.当期純利益で経営活動の結果を知る

当期純利益は、会社が1年間で残した経営活動の結果です。なので、ここを見れば黒字か赤字かがわかります。
利益がなければ資本金を減らすことになりますので、今後の経営戦略をどうすべきか考えるためのポイントとしておさえておくと良いです。

 

2.営業利益が売上高のどれくらいを占めているのかを知る

営業利益は数字だけではなく、売上高に占める営業利益率を把握しておくと赤字を防ぐ対策にもつながります。

営業利益率は次の計算式を使って算出します。

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高

この利益率を把握することによって、営業力で得た利益がどのくらいか知ることが出来るので、目標管理もしやすくなります。また、売上高が減少した際、この割合が高いほど赤字のリスクを減らすことができます。

 

3.売上高総利益が売上高のどれくらいを占めているのかを知る

営業利益率と同様に、売上高に占める売上高総利益を売上高総利益率として数字と一緒に把握しておくと良いです。

売上高総利益率は次の計算式を使って算出します。

売上高総利益率 = 売上高総利益 ÷ 売上高

売上高総利益は、商品が持っている魅力や認知度などの力によって生み出された利益ですので、この利益率を把握しておくと、商品の収益性が明確になります。
利益率が高ければ、会社が魅力のある商品を多く持っていることになりますし、低ければ、商品の見直しを検討し、利益率を上げるための対策を早期に取ることができます。

 

キャッシュフロー計算書(C/F・C/S)のチェックポイント

1.営業活動によるキャッシュフローで営業活動の結果を知る

会社の本業で発生した収入と支出を表したものが「営業活動によるキャッシュフロー」になります。

商品やサービスを仕入れて販売した結果収益が出ればプラスで表示され、経費がかさむなどで損失が出ればマイナスで表示されます。
ここをプラスにしないと会社の活動が継続できない可能性が発生しますので、会社経営の基本のキャッシュフローとして注目しましょう。

また、総計だけではなく、キャッシュフローのどこの部分でプラスがあったのか、マイナスになったのかを細かく見直すと次年度の結果でより多くのプラスを出すための計画も立てやすくなります。

 

2.投資活動によるキャッシュフローで投資したものの状況を把握する

固定資産、株などの取得や売却をしたときのお金の動きを表したものです。
例えば、事業の推進などで自社ビルを新たに購入するなどの資産を取得するための投資をするとマイナス、設備などを売却するとお金が増えるのでプラスで投資活動によるキャッシュフローに反映されます。

プラスになる方がいいのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ここではプラスとマイナスのバランスが重要になります。
例えば、投資活動によるキャッシュフローのマイナスを増やしたくないので、必要な設備や資産の購入をしないと経営の効率化や事業の促進が見込まれず、費用対効果の良くない状態になります。

また、必要以上の設備や資産の購入も投資活動によるキャッシュフローのマイナスを増やしすぎてしまう原因にもなりますので、将来の投資を正しく行うために事業計画に明記しておくことも大切になります。

 

3.財務活動によるキャッシュフローで資金調達と返済の結果を知る

財務活動によるキャッシュフローは、銀行や株主からの資金調達があるとプラス、借入金の返済をするとマイナスで数字を示します。

ここでのプラスは、お金を借りたときのプラスの数字になるので、大きくなることはあまり良いことではありません。
ですので、プラスが大きい場合は、どこから何のための資金調達をしたのか、返済の見込みを立てることはできるかなどを考えたほうが良ろしかと思います。

一般的にプラスとマイナスの幅が小さい状態が、財務活動によるキャッシュフローの良い状態とされています。

 

まとめ

初めて財務諸表を見るときに押さえておくと良いポイントを経験を元にまとめてご紹介していきました。
本記事を見るだけではなく、上場企業のサイトなどで公開しているものと照らし合わせるなどすると、読み解く力だけではなく分析する力も磨かれてくると思います。

今後、実務でも携わるときや簿記試験を受けるときの勉強にもなりますので、財務諸表を知る入口としてぜひ読み方から学んでみてください。

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