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住民税の基礎知識総まとめ

2017-04-19 14:37:00
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私達の身の回りには、国に納める税金である「国税」、地方自治体に納める「地方税」の大きく分けて2つの税金があり、様々な形で納付しています。

その中でも住民税は、毎月の給与から社会保険料や所得税などと一緒に控除されていたり、自宅に届いた納付書を使って支払ったりと、皆さんの見える形で徴収や納付されているのではないでしょうか。

住民税の納付方法は、個人で支払う「普通徴収」、給与から控除して会社が代わりに支払う「特別徴収」の2種類あり、学校、公園、道路などの補正、防災、ごみ処理、教育、福祉、治安維持など身の回りの環境整備や保全として還元されています。

今回は住民税の基礎知識、普通徴収と特別徴収の違い、特別徴収の義務付けの強化について調べてまとめました。

 

*記載は加筆時点のものとなりますので、詳細は記載している参考元や社労士・税理士等の士業の方にご確認ください。

 

【目次】
住民税とはどのようなものか
住民税の普通徴収
住民税の特別徴収
東京都、東京都23区のみ住民税の名称が異なる理由
特別徴収が義務付けが最近強化されている理由
まとめ

 

住民税とはどのようなものか

住民税には、市町村に納付する市町村民税(東京都の特別区民税を含む)と道府県民税(東京都の都民税を含む)の2種類あります。

地方税法第41条第1項の定めにより、市町村が2つ併せて徴収していることから総称して住民税と呼ばれるようになりました。税額は個人の前年所得から算定され、「普通徴収」「特別徴収」のいずれかの方法で納付します。

普通徴収と特別徴収の違いや納付方法を詳しく見ていきましょう。

*住民税に関する基礎知識は「退職が決まった後の住民税の支払いについて」もあわせてご覧ください。

 

住民税の普通徴収

住民税の普通徴収は「個人で納付する」方法で、自分が住んでいる市町村から届いた納付書や口座振替(自動振替)で納付できます。普通徴収に該当する条件は次の通りです。

 

・会社(事業所)の社員数が2名以下、もしくは個人事業主
・退職後、次の就職先が未定の者
・5月末日までに退職予定の者
・給与が不定期で支給される者
・給与額が少なくて住民税が控除できない者
・他の会社(事業所)で特別徴収を行っている者
など

 

原則、会社では特別徴収を採用しなければなりません。
ただし、条件に該当する社員がいる場合、社員が住んでいる市町村へ給与支払報告書と併せて「普通徴収切替理由書」を提出すれば切り替えることができます。

*普通徴収の詳しい条件、普通徴収切替理由書の書式は該当の市町村にご確認ください。

 

住民税の特別徴収

住民税の特別徴収は、前年の所得から算定された社員の住民税を会社が市町村の代わりに徴収する方法です。

個人で住民税を納付する普通徴収に対して、特別徴収は年間の住民税を月割して毎月の給与から控除します。そのため、普通徴収よりも1回あたりの納税負担が少ないですし、納付漏れを防ぐことができます。

特別徴収は以下のように行います。

 

1.給与所得等に係る特別徴収税額の決定・変更通知書の確認

社員が住んでいる市区町村から給与所得等に係る特別徴収税額の決定・変更通知書が毎年届きます。

・記入漏れや誤りがないか
・税額に誤りがないか
・普通徴収の人はいないか

を必ず確認しましょう。

誤りがあれば速やかに市町村へ連絡し、問題がなければ通知書に記載されている月割額を給与から控除し、給与明細書と一緒に通知書の1部(納税義務者用)を社員に渡します。もう一部は会社の控えになりますので大切に保管してください。

 

*社員が入社したとき

入社した社員の住民税の徴収方法を切替える場合は、「特別徴収切替届出(依頼)書」を社員が住んでいる市町村へ提出します。書類は各市町村で独自のフォーマットがあるのでご確認ください。

 

*社員が転勤による転居や休職をするとき

給与支払業務をしている支社や営業所で、社員が転勤による転居や休職する場合、「給与所得者異動届出書」を社員が住んでいる市町村へ提出します。書類は各市町村で独自のフォーマットがあるのでご確認ください。

 

*社員が退職するとき

退職時期により徴収方法が異なりますので注意しましょう。

・1月1日〜4月30日に退職した場合
会社が社員の最終支払給与や退職金から残税額を一括控除します。

・5月1日〜5月31日に退職した場合
会社が社員の最終給与や退職金から1ヶ月分の住民税を控除します。

・6月1日〜12月31日に退職した場合
会社が社員の最終支払給与か退職金から残税額を一括控除するか、自分で納付するか選んでもらいます。

  

引用元:住民税の手続き|社員の退職に関する手続きと流れ

 

2.社員の給与から住民税を控除する

給与所得等に係る特別徴収税額の決定・変更通知書(特別徴収義務者用)に記載されている月割額を社員の給与から控除します。

特別徴収義務者は、市町村が所得税法に基づいて納税義務者(社員)の給与を支払っている会社が指定し、特別徴収税額は会社へ通知されます。通知された税額を社員にも伝えて毎月の給与から控除しましょう。

 

参考元:
所得税法第183条
地方税法第321条の4

 

3.住民税を納付する

社員の給与から控除した住民税は、社員が住んでいる市町村の窓口、銀行やオンラインバンキングから納付できます。納付が遅れると延滞手数料が発生するので注意しましょう。

 

*毎月の納付を年2回にできる特例制度

社員が常に10人未満の会社は納期の特例制度で、社員が住んでいる市町村に申請、承認を受けると、年12回の納期を年2回にすることができます。

納期の特例制度の条件や留意事項などは市区町村によって異なる場合がありますので、該当の市区町村へご確認ください。

 

 東京都、東京都23区のみ住民税の名称が異なる理由

東京都、東京都23区は、市区町村税・都道府県民税を「都民税」「特別区民税」と読み替えます。これは地方税法第1条第2項に「道府県に関する規定は都に、市町村に関する規定は特別区に準用する」と定められているためです。

また、地方税法第734条にも「都」、「特別区(東京都23区)」に関する規定が明記されています。

 

 

特別徴収が義務付けが最近強化されている理由

会社から給与をもらっている社員の住民税は、地方税法第321条の4第1項に基づき、特別徴収をするのが本来の納付方法になります。正社員やパートといった雇用形態、従業員数など関係なく、前述の「住民税の普通徴収」の条件に該当しない限り特別徴収をしなければなりません。

しかし、給与から徴収せず普通徴収を採用している会社を見かけることがあります。会社の事務負担がかからないメリットはありますが、個人が1度に負担する税額が多いことや納付忘れなどのリスクが高まります。

実際に普通徴収での滞納や遅延による住民税の徴収率の低下傾向にあり、市町村、都道府県の収入減少が深刻化していることから、全国的に住民税の特別徴収の義務付けの強化をする動きがはじまりました。

特別徴収にする事により、会社の事務負担は増えてしまいますが、毎月の給与から徴収し社員の代わりに納税するため、個人が1度に負担する税額が少なく納付漏れを防ぐことができ、市町村は税収確保や納税義務者の公平性の確保が出来るようになります。

 

まとめ

私たちは普段、法令に沿って普通徴収と特別徴収のいずれかで方法で住民税を納付しています。2つの徴収方法の違いを含め、住民税の基本を正しく理解して納税するための知識のひとつになっていただければと思います。

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