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会計・経理関係書類の保存期間総まとめ(根拠法付き)

2017-03-01 11:49:00
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会社には請求書など会計や経理に関する文書、契約書・・・などたくさんの書類が溢れているかと思います。場所もとりますし、なるべくなら、不要なものは破棄したいところです。

ただ、闇雲に破棄してはいけません。それぞれの書類には「保存期間」が決まっていて、会社は文書を保存する義務が法律で定められています。

 

普段扱っている書類の保存期間、わかりますか?

「帳簿などの決算で作成された書類は7年」というのはわりと有名なケースでしょうか。

しかし、それ以外にも会社関係の書類は数多くあります。そして、会計・経理に関する書類のほとんどが「会社法」「法人税法」の法律で定められており、同じ書類でも10年、7年といったようにどちらの法律でも保存期間が定められていることがあります。
そのような場合は、保存期間が長いもの(基本的に会社法に基づいたもの)を優先したほうが良いとされています。

今回は保存期間が長いものを基本として、経理の現場でも混乱しがちな、会計・経理関係書類の各書類をどれだけ保存していかなければならないのか、調べてまとめてみました。

*破棄にあたっては、必ず会社の税理士・弁護士等、その書類に関連する士業の方にご確認ください。

 

会計・経理関係書類の保存期間

10年

決算書・会計帳簿・事業関連書類

書類 根拠 起算日

決算書

賃借対照表

損益計算書

キャッシュフロー計算書

会社法第435条「計算書類」 作成日から
*会社法では7年保存とされていますが、賃借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書は会社法の「決算書」に該当するため、10年保存となります。

総勘定元帳

仕訳帳

補助簿(現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳)

補助元帳(売掛金元帳、買掛金元帳、商品有高帳)

会社法第432条「会計帳簿」 帳簿閉鎖日(決算の締切日)から

*青色申告の場合は、平成23年12月税制改正で事業年度に欠損金(赤字)が発生すると9年間の保存と定められています。

*帳簿の保存期間は法人税法では7年保存とされていますが、会社法の「会計帳簿」として該当するため、10年保存となります。

また、法人税法に基づいて保存をしている場合、平成28年度税制改正で平成30年4月1日以降に欠損金が発生すると10年保存に改定されているので注意しましょう。

株式に関する書類
(株式申込簿、株式割当簿、株式台帳、株主資本等変動計算書、株式割当簿など)

印鑑簿など

会社法第432条「事業に関する重要資料」 作成日または受領日から

 

7年

決算に関して作成された書類

書類 根拠 起算日
棚卸表など会社法第435条、第432条に該当する書類以外のもの
参考元:国税庁|帳簿書類等の保存期間及び保存方法

「決算に関して作成されたその他の書類」

法人税法第59条

法人税法第67条

作成日から

取引証憑書類

書類 根拠 起算日

・現金、預貯金の入支出に関する書類
(預金通帳、借用証、小切手、手形控、振込通知書など)

・有価証券取引に関する書類
(有価証券受渡計算書、有価証券預り証、売買報告書、社債申込書など)

・その他取引に関する書類
(見積書、発注書・発注請書、納品書・検収書、請求書、領収書、仕入伝票など)

法人税法第59条一 〜 三項 書類作成日または受領日から

電子取引の取引情報に係る電磁的記録

書類 根拠 起算日

取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書
その他これらに準ずる書類に通常記載される事項

電子帳簿保存法第2条第6項「電子取引 取引情報」

電子帳簿保存法施行規則第8条「電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存」

書類作成日または受領日から

従業員に関する申告書・台帳

書類 根拠 起算日

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

・従たる給与についての扶養控除等の(異動)申告書

・給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除の申告書

・給与所得者の保険料控除申告書

所得税法第76条「保険料控除申告書に関する書類の提出又は提示により証明する事項」

No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期限|国税庁

法定申告期限から
退職所得の受給に関する申告書

所得税法第77条「退職所得の受給に関する申告書の記載事項等」

No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期限|国税庁

法定申告期限から
公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

所得税法第77条の4「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書の記載事項等」

No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期限|国税庁

法定申告期限から
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

租税特別措置法第18条の23「給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書等」

No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期限|国税庁

課税関係終了日から

*国税法第70条〜第73条に各申告書の源泉徴収、控除に関する更正・徴収等の義務について定められています。 

国税法第70条〜第73条

賃金台帳(源泉徴収簿)、給与明細、源泉徴収票

国税法第70条〜第73条「源泉徴収簿、扶養・保険・配偶者特別控除に関わる書類」

*作成する義務に関する定め
労働基準法第108条

労働基準法施行規則第54条

法定申告期限から
*労働基準法では3年保存とされていますが、国税法に定められている「源泉徴収簿、扶養・保険・配偶者特別控除に関わる書類」に該当するため7年保存となります。

課税取引に関する帳簿、請求書

書類 根拠 起算日
課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書等

消費税法第30条「課税仕入れ」
No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存|国税庁

消費税法施行令第50条「課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の保存期間等」

消費税法施行規則15の3「帳簿等の保存期間の特例」

課税期間末の翌日から2ヶ月を経過した日から
*6年経過後は、帳簿または請求書等のいずれかの保存でよいとされています。
資産の譲渡等、課税仕入、課税貨物の保税地域からの引取りに関する帳簿

消費税法第58条(取引に関する帳簿の保存についての定め)

消費税法施行令第71条(保存期限についての定め)

課税期間末の翌日から2ヶ月を経過した日から
*以下のいずれかに該当した場合、書類保存の対象になりますので注意しましょう。

①前々期の課税売上高が1,000万円以上の法人

②前期の前半6ヶ月間の課税売上高か給与支払額のどちらかの合計が1,000万円以上の法人

 

5年

監査に関する報告書

書類 根拠 起算日

・監査報告書

・会計監査報告書

会社法第442条「各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書」 定時株主総会の1週間前、取締役会設置会社は2週間前の日から
*本店は5年保存となっていますが、支店の場合は3年保存とされています

金融機関が保存する申告書

書類 根拠 起算日

・非課税貯蓄申込書非課税貯蓄申告書、非課税貯蓄限度額変更申告書、非課税貯蓄異動申告書、非課税貯蓄勤務先異動申告書、非課税貯蓄廃止申告書などの写し

・海外転勤者の財産形成非課税住宅貯蓄継続適用申告書、海外転勤者の国内勤務申告書などの写し

・金融機関等が保存する退職等に関する通知書

所得税法施行令第48条「帳簿書類の整理保存等」

所得税法施行規則第13条「帳簿書類の整理保存・保存期間の定め」

税特別措置法施行規則第3条の6「帳簿及び申告書等の写しの作成・保存」

租税特別措置法施行令第2条の21「海外転勤者の財産形成非課税住宅貯蓄継続適用申告書」

申告書または退職などに関する通知書の提出があった翌年から

 

まとめ

信頼を得て会社運営するために保存が必要な書類がたくさん存在します。書類の管理を粗略にしたりうっかり捨ててしまうと、監査が入った時など書類に提示することができなかったり、記録違反や虚偽報告の疑いなどで会社に重い罰則が生じるなど困ったことにもつながります。
そうならないためにも日々の書類を管理、保存していくことが大切になるのではないでしょうか。

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