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裁量労働制とは?制度の基本と働き方

2017-05-17 10:14:00
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裁量労働制という言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、具体的にどのような制度かということを知っている方は限られているのではないでしょうか。

働いている方の多くは決められた時間や場所で働き、給与をいただく仕組みとなっていると思いますが、実際と異なる時間や場所で働いても勤務したとみなされるケースがあります。これが裁量労働制となります。

裁量労働制は社員の労働の公平性を考慮して決まった職種のみに適用される制度となり、「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の2つに分かれ、いずれも評価が「時間」ではなく「成果」を対象としてみます。

今回は、裁量労働制がどのような制度か調べてまとめましたので、働き方や仕事に対する考え方の1つとして参考にしていただければと思います。

 

*詳しい内容は、管轄の労働基準監督署や会社の社労士、弁護士などの士業の方へご確認ください。

 

【目次】
専門業務裁量労働制
企画業務型裁量労働制
裁量労働制と時間外労働
有給休暇の取扱い
欠勤・遅刻・早退の取扱い
まとめ

 

専門業務裁量労働制

業務を進める方法や時間配分を社員の判断に任せた方が能力が発揮され、作業進捗率の向上が見込める職種に適用されることが多いです。

つまり、業務に対する評価を「時間」ではなく「業務内容」や「成果」で考えた方が適正な職種が対象となる制度となります。

具体的には、デザイナー、システムエンジニア、出版社の編集者、テレビや映画のプロデューサー、研究・開発者、弁護士などの士業など、19種類のクリエイティブ業務や専門業務に携わる業務が対象となり、会社の労働組合や従業員の過半数を代表する者との労使協定を結び、制度が導入されていれば適用されます。

 

参考:厚生労働省|専門業務型裁量労働制

 

企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制は、事業の運営に関する企画、立案、調査、分析業務に従事する社員が対象となり、主にホワイトカラー企業や職種を対象としているのが特徴となります。

業務を進める方法や時間配分を会社が具体的に指示するよりも、社員に委ねたほうが生産性の向上が見込めるようなケースの職種に適用されます。

制度の導入は、労使委員会を設置して労働条件や運用ルールなどを審議、委員の5分の4以上の合意と決議が必要になります。加えて、対象になる社員から個別の同意を得ることや労働基準監督署への定期報告を行うため、より厳格な要件になっています。

 

参考:厚生労働省|企画業務型裁量労働制

 

裁量労働制の労働時間と時間外労働

裁量労働制には労働時間の概念がないようなイメージを持たれている方もいるかと思います。

実はそういうわけではなく、制度を導入する時に「みなし労働時間」を定めることが決まっています。

労働時間の計算方法は労働基準法第38条に定められていて、多くの場合はそれに基いて会社が社員の実務労働時間の管理をしています。

しかし、裁量労働制の場合は業務の性質などにより実務労働時間の管理を適切にできないため、会社は「1日8時間、1週間40時間働いたものとする」などとあらかじめ定めた時間に労働したとみなすことが認められています。

例えば、1日8時間のみなし労働時間で実働が4時間の勤務や9時間の勤務だったとしても、8時間労働したとみなされるので時間外手当や早退などの控除の対象にはなりません。

ですが、「休憩時間」「休日」「深夜業務」の3つに関しては労働基準法に基づいた管理を会社が行わなければなりません。

システム障害などで緊急対応を会社の休業日や営業時間外(22時以降など)にしたケースですと、休日出勤手当や深夜労働手当などの割増賃金を支払わなければ労働基準法違反となり、会社に罰則が発生したり、会社と社員の間でトラブルに発展することもありますので、社員は会社に報告を、会社は報告を受けて管理を行うなどのルールを設けると良いかと思います。

また、みなし労働時間は労働基準法に定められている法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)以上を設定する場合は36協定を締結しなけばなりませんので、時間外手当などの割増賃金の支払やみなし残業として給与に固定の残業代を組み込むなどの対応が必要になるかと思います。

 

有給休暇の取扱い

裁量労働制も制度を利用していない社員と同様に有給休暇は付与されます。利用する前に会社の就業規則や届出方法などを確認をして申請を行いましょう。

有給休暇を半日だけ使いたい場合ですが、本来、裁量労働制は社員自身の裁量で労働時間の配分などを委ねていて、始業時間や終業時間、半日を何時間と定めるなど具体的に定める趣旨のものではありません。

例えば、みなし労働時間を1日8時間と定めていて、実働が3時間の勤務でも8時間働いたとみなされるため、半日の有給休暇を取得してもしなくても1日8時間働いたということになり、あまりなじまない取得方法になるかと思います。そのため、1日単位の有給休暇の取得が多いようです。

 

参考:労働基準法第39条

 

欠勤・遅刻・早退の取扱い

裁量労働制の社員が欠勤・遅刻・早退をした場合、遅刻や早退に関しては労働時間の拘束がないため、控除の対象になりません。
欠勤した場合は実際に労働をしていないことになりますので、労働したとみなさずに就業規則に基いて勤務時間を計算しているところが多いです。

労働時間の拘束のない制度ではありますが、成果を評価のベースとして評価するため、考課査定の参考として勤務状況の把握はした方がよろしいかと思います。

 

まとめ

様々な働き方が広がっている中で、裁量労働制を導入しているところも増えていますが、社員が制度を利用して知識や能力を最大限に活かせる働き方が出来る環境作りや、どのように会社のスタイルになじむ運用・管理体制にしていくかなどの課題があるかと思います。

また、対象にする業務や職種により成果が変わっていくため、どのように定義していくかも大事なポイントです。
管理者が成果を明示できなければ、業務を担当する社員に成果のイメージが伝わらず、達成する意欲や制度本来の機能に影響が出る可能性があります。

まずは、会社と社員が制度を理解し、コミュニケーションを図る機会を設けて運用の土台づくりからはじめたり、見直してみてはいかがでしょうか。

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