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「e-文書法」と「電子帳簿保存法」の違いとメリット・デメリット

2017-05-09 10:44:00
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日々の業務で発生する文書は紙だけでなく、データでも保存できるのはご存知でしょうか。

文書の保存は「e-文書法」と「電子帳簿保存法」という2つの法律によって、ハードディスクなどの記録メディアやファイルサーバにデータ保存することが認められています。

いずれの法律も文書の電子化を認める内容となりますが、e-文書法はデータ作成した文書・紙で作成した文書を電子化にして保存することを認めていて、電子帳簿保存法は税法に関する文書(総勘定元帳や請求書など経理に関する文書)の電子化の方法を具体的に定めているという違いがあります。

あまり聞きなれない法律かもしれませんが、文書の保存や管理を担当されているバックオフィスの方は知っておいたほうが良い内容になるかと思います。

特に、社内の経費削減やペーパーレス化の取り組みを検討されているのでしたら、電子化したい文書の保存義務の有無や関連する規定を把握しておくことにより、具体的な計画を組み進めることができます。

今回は、2つの法律の違いや電子化のメリット・デメリットなどを調べてまとめたものをご紹介していきます。

 

*電子化に移行するにあたっては、必ず会社の税理士・弁護士等、その書類に関連する士業の方にご確認ください。

 

【目次】
e-文書法とは
電子帳簿保存法とは
文書を電子化するメリット・デメリット
文書の電子化を気軽にはじめられるサービス
まとめ

 

e-文書法とは

2005年4月に施行された「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(通則法)」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)」の総称です。

この法律の制定前は、会計帳簿などの帳票類、取締役会議事録、請求書や契約書などの証憑書類など、商法や税法で保存を義務付けられていた文書は紙での保存を前提とされていました。

制定後は紙だけではなく、電子データとして作成された文書や紙の文書をスキャンして画像ファイルに変換して保存することも可能となりました。

ただし、紙の文書を画像ファイルとして保存する際は、見読性、完全性、機密性、検索性の基本要件を満たさなければなりません。

また、賃借対照表などの決算関係書類の場合、商法上ではスキャンをして電子保存することが認められていますが、電子帳簿保存法ではスキャンデータは認められず、PCで作成したデータの保存のみとなっているなど、文書によって複数の法律で保存が義務付けられていることがあります。

この場合、要件の厳しい電子帳簿法の要件を優先して保存することになりますので、同じようなケースが発生した場合は同じように要件が厳しい方法で保存をしていきましょう。

 

参考元:
民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(通則法)
民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)
経済産業省|文書の電子化・活用ガイド

 

電子帳簿保存法とは

1998年7月に施行された「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」で、国税に関する帳簿や書類などの文書の電子保存を認めた法律です。

e-文書法は多数の法律に一括で文書の電子化を認めたものに対し、電子帳簿保存法は国税に関する文書へ具体的な電子化の方法を定めているものとなります。

基本要件も具体的になっており、「真実性の確保」には、訂正・削除履歴の確保、相互関連性の確保、関係書類等の備付、「可視性の確保」には、見読可能性の確保、検索機能の確保があります。

施行当初は電子化された文書データが保存の対象が少なく要件が厳しいものでしたが、2015年の改正(2016年1月より施行)で規制が大幅に緩和され、ほぼすべての文書がスキャンデータ保存が可能になりました。

契約書や領収書の保存対象額が3万円未満であったのが、平成27年の改正で金額の基準を撤廃されて3万円以上の契約書や領収書も電子保存が可能となり、保存形式も重要書類以外の書類の大きさの情報が不要になり、カラー以外での保存が可能になるなど、文書の電子保存がよりしやすくなりました。

 

*スキャンデータ保存は、「電子帳簿保存法施行規則第3条第3項」に規定されている以外の書類が対象となりますので運用前にご確認ください。

 

*文書の電子保存を行うためには以下の手続きが必要となります。
提出先:管轄の税務署、もしくは国税局
提出書類:
・国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書
・承認してもらう国税関係帳簿の作成・電子保存で使用するシステムの概要を記載した書類
・国税関係帳簿の電子保存を行うPCに関する事務手続の概要を明らかにした書類
*保存処理を委託している場合は委託契約書写しが必要です
・申請書の記載事項の補足情報や参考資料などが記載された書類
提出期限:文書の電子保存をはじめる3ヶ月前
*例えば、4/1にはじめたい場合は前年の12/31までに手続きをしなければなりません。

 

参考元:
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則
国税庁|電子帳簿保存法について

 

文書を電子化するメリット・デメリット

会社の経営や社内での日々の活動で契約書、請求書、会議資料など様々な文書が作成され、管理する義務が必ず発生します。

その文書を印刷するためには大量の紙が必要となり、インクや用紙にかかるコストや保管するスペースの確保などが必要になるかと思います。

しかし、文書の電子化が法律で認められた現代ではPCで作成した文書を紙で印刷しなくてもデータ保存できますし、必要に応じて検索して閲覧出来るようになり、ペーパーレスによるコストを削減することが出来ます。

更に、電子化は書類の紛失による機密情報漏えい、震災や火災などの災害による書類の消失のリスクを回避することも可能となります。

ただし、電子化することによって視認性が低下してしまうデメリットもありますので、文書の特性を見極めることが必要となります。

例えば、会議の時に印刷してメモを取りたい文書や、画面上で見ることが難しい細かな一覧資料などはデータよりも紙のほうが適しているかと思います。

 

文書の電子化を気軽にはじめられるサービス

文書の電子保存の取り組みをはじめる際、管理の統一や運用の継続していくのが難しいなど問題点を抱えて運用開始までたどり着けず断念した経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

文書の電子保存に関する規制の緩和や社内のペーパーレス化が着目され、文書管理やペーパーレス化をサポートするサービスが最近増えてきています。気軽に運用できるようなサービスやシステムの一例を調べてまとめましたので、参考にしていただければと思います。

Smart HR

社会保険・雇用保険手続きなどの労務業務を自動化するクラウドサービスで、入社など人事、労務関係の手続きに必要な書類を自動作成、年金事務所などの役所に行かずにWeb上で申請が完結出来ます。

また、社員にマイページを設けて住所変更や扶養家族の追加などの社員情報の変更などをしてもらうことが可能ですので、クラウド上で社員情報の変更履歴も一元管理でき、労務業務の効率化・ペーパーレス化につながるサービスです。

 

CLOUD SIGN

契約書のやり取りや管理を電子化するサービスで、契約書を契約を取り交わす相手へ送るところから締結までをオンラインで完結、契約書データをクラウド上で保管出来るので、紙の契約書の捺印・郵送のフローがなくなり、時間短縮やペーパーレスにつながります。

更に、電子データは課税の対象外となるため、収入印紙が不要になり、節税対策にも役立つサービスです。

 

e-保管サービス

電子化した文書をまとめてクラウド上で保管、閲覧が出来る文書管理システムです。
管理書類の共有、閲覧制限の設定、紙の文書を電子化するためのスキャニング依頼などの機能が充実していますので、電子化を負担なくはじめやすいサービスです。

 

freee

個人事業主やスタートアップ、中小企業まで幅広く利用できるクラウド会計サービスです。入出金管理や売上や費用などをリアルタイムに見ることができ、スマートフォンから撮影した領収書を使用した経費精算申請も可能です。

電子帳簿法にも対応しているので、領収書や請求書などの書類の電子保存や管理が楽に行えます。

 

board

見積書、発注書、請求書などの書類作成、受発注の管理、売上分析やキャッシュフロー予測などが出来るクラウド型の業務システムです。

書類単位ではなく案件・発注単位を軸にしていて、発注は案件に紐付いて管理することができます。

案件・発注を登録した際、取引上必要な書類が自動生成され、PDF出力・データ保存も可能ですので、紙で出力する書類を最低限に抑えることができます。

 

まとめ

文書の電子化は紙媒体の保存を抑えるなどのコスト削減やペーパーレス化だけではなく、機密情報や個人情報の保護にもつながります。

近年、このような取り組みは増加傾向にありますが、すべてを一度にデータ化するのも大きな業務負担となりますし、各文書に関わる社員、部署、会社に適した運用方法か見極めることも必要になりますので、少しずつはじめてみても良いかと思います。

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