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防火・防災管理者講習を受けてみました

2017-08-15 10:58:00
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防火・防災管理と聞いて、火災を予防したり、地震や津波などの災害が起きたときに被害を最小限にするために日頃から対策することを最初にイメージのではないでしょうか。

まさにその通りで、防火・防災管理者は消防法に基いて認定された国家資格で、取得をすると建物などの所有者(大家さんや管理会社など)から選任を受けて、火災や震災などの災害が起きたときに備えた避難訓練や災害による被害を拡大させないための計画など、活動は多岐に渡ります。

また、近年では地震を中心に災害が増加しており、社員を抱えている企業やお客様の出入りが多い飲食店などの店舗は防火、防災に関する関心も高まっています。

今回は、防火・防災管理者の資格を取得したときに知った資格の概要、必要な手続き、資格を持っている人が今後行っていかなければならない活動など、学んだ所を中心にまとめていきます。

 

*防火・防災管理者に関する詳細は、管轄の消防署にお問合せください。

 

【目次】
防火・防災管理者とは
資格講習を受けてみたはなし
資格取得後の活動
受講後に確認しようと思ったこと
まとめ

 

防火・防災管理者とは

火災予防、地震や津波などの災害の被害を最小限にするための対策を中心となって行なう責任者になります。

「防火」「防災」の2つにわけて見ていくと、「防火管理者」は企業、飲食店、デパートなど多くの人が利用する建物などの「火災」による被害を防止、発生時に被害を最小限に抑えるために、「消防計画」という書類を作成し、防火に関する必要な管理業務を行なう責任者になります。

「防災管理者」は建物の地震や火災以外の災害による被害を最小限に抑えるために防災に関する「消防計画」という書類を作成し、防災に関する必要な管理業務を行なう責任者になります。

防火管理との違いは、「地震や火災以外の災害による被害を最小限に抑えるか」と「火災による被害の防止や発生時の被害を最小限に抑えるか」になります。

 

資格講習を受けてみたはなし

今回は、防火・防災管理者に専任された社員が退職し、管理者がいない状態になったため、急遽資格の取得をすることになりましたので、その時のことをお話していきます。

 

講習の申込み

この防火・防災管理者ですが、正式に選任されるためには「防火・防災管理者講習」を受講し、有資格者でなければなりません。

私の所属している会社では、複合施設(飲食店や一般企業など様々なテナントが入居しているビル)で各フロアに管理者を設けていることと、この資格を持っている人がいなかったため「防火・防災管理新規講習」の申込みを管轄の消防署で行いました。

申込は会社の管轄の消防署に直接提出のみの受付で、「防火・防災管理講習申込書」を持参します。
講習は2日間(平日が多く、土日祝日はあまり開催されてません)行われますので、あらかじめ会社の上司などと相談して受講候補日をいくつか決めておくと申込がスムーズです。講習会場は管轄の消防署ではなく、各都道府県の指定された会場になります。

管轄の消防署は、近くの消防署へ問合せ連絡、インターネットで検索するとこの住所の建物は◯◯消防署、などと紹介してくれます。

 

講習の概要

「防火・防災管理新規講習」は2日間あり、午前9時〜午後5時になります。(神田警察署と合築の消防技術試験講習場の場合)初日は教材の購入がありますので、申込時の説明や講習案内に記載された金額の用意をしましょう。

私が、2日間の講習で持参したものは次のとおりです。

・防火・防災管理講習受講票
・教材購入代
・筆記用具
*講師がここ大事ですよ、テストに出ますよ、と言うので、マーカーや付箋があるとより便利です。
・身分証明書(運転免許証)
*顔つきの証明書がない場合は、「健康保険者証+住民票」などといったように「公的証明書+身分証明書」の2点を用意しましょう。

防火・防災の管理制度や過去の火災・災害事例の紹介、消防設備の操作や災害対策の実施要領などを座学と実技で学び、最後に効果測定(20問ほどのテスト)を受けます。
毎時間出欠確認するので、欠席すると資格がもらえません。ですので、効果測定だけ受けるということが出来ません。

講習中は、スマートフォンなどの電子機器の使用、講習に関係のない書籍を読むこと、飲食は原則禁止になります。何度か指摘されると教室から強制退室になってしまうので注意しましょう。

私が受講したときは、気温が高く暑い日でしたので、熱中症防止でペットボトルの飲み物なら飲んでも良いとのことでした。(ただし、机に置いたままにするのは禁止)
また、会場によって設備が異なりますが、エレベーターがある施設は朝やお昼休みのときに混み合うので、階段を利用したり、朝の時間は早めに移動するなどをおすすめします。

 

講習で学んだこと

新宿の明星56ビルなどの過去に発生した火災、東日本大震災や地下鉄サリン事件などの過去に発生した災害で被害があった都度、消防関係の法令が改定され、被害を最小限に抑える取り組みを国がしっかり行っているということを映像と講師の方からの解説で学びました。

また、実技の講習で火災が発生したときに消化器や消火栓を使おうとしたのは70%、実際に使えたのはその70%と講師の方がお話されていて、使おうという発想や使い方を知ることが大事ということも学びました。

実際に管轄の消防署に相談すると訓練用の消化器の貸出や使い方の指導をしてくださるとのことなので、実際に体験してみることも今後は大事になると思います。

今回、消火栓を実際に使ってみましたが、水圧が強くて複数人の協力で安定して使えるくらいの威力でした…。施設によってはひとりでも使用できるタイプが設置されているところもあるようです。

 

資格取得後の活動

講習を全て受講し、効果測定に合格すれば、資格取得の証明として「防火防災管理手帳」がもらえます。
この手帳は、防火・防災管理者として選任されたときも必要になりますので、紛失などがないように管理しましょう。

選任後、最初に行なうことは、管轄の消防署に「消防計画書」などの書類を作成して提出することです。消防計画作成の流れは次の通りとなります。



1.防火対象物の実態を把握する

防火対象物とは、消防法と火災予防条例の大きく2つに分かれています。
消防法では、不特定多数が使用する建物、船舶、建設中の建物や山林などが対象として定められていて、火災予防条例では、危険物(石油など)の貯蔵タンクや貯蔵所、屋内駐車場などが対象として定められています。

収容人数や危険物の数量など法で基準が定められていて、区分されています。自分が責任を持って管理しなければならない所は防火対象物の何の区分に当てはまるか確認しましょう。 区分が記載されている表は参考元の「消防法施行令 別表第1」でご確認いただけます。

 

参考元:
消防法第2条2項
消防法施行令 別表第一

 

2.防火対象物の規模を確認し、規模に合った消防計画を考える

収容人数や面積によって大規模・中規模・小規模の3つに分かれ、それぞれに合った消防計画書を作成しなければなりません。
東京消防庁で「消防計画、全体についての消防計画及び防火管理業務計画の作成基準フロー」を公開しているので、参考にしながら自分が責任を持って担当しなければならない所がどの規模に当てはまるか確認すると作成がスムーズです。

 

3.消防計画の作成例(消防庁などで公開している申請様式を参照)を参考にしながら、用途、業態に合った消防計画を作成する

作成例にはほぼ全ての業界に当てはまる内容を記載していますので、不要な項目があれば、二重線などで削除、Wordなどで打ち込んで作成しているのであれば、項目を削除して作成すると見やすくなります。

もし、どれが必要な項目か、追加する内容がわからないなどがありましたら、消防署に相談しながらの作成をおすすめします。

 

4.消防署のサイトで公開している消防計画作成チェック表を利用して、消防法などの法律に基づいた必須項目が全て含まれているか確認する

 

5.消防計画(変更)届出書を作成する

 

6.管理権原者に内容を確認してもらう

管理権原者は、防火・防災管理者を専任して防火や防災に関する必要な業務を行わせるもので、会社の代表取締役、支店長、建物などを所有している大家さんや管理会社などがなっているケースが多いです。
消防計画書などの書類にも記載するので、専任されたら管理権原者(防火・防災管理者を専任した人)は誰かを把握しておきましょう。

 

参考元:消防法第8条1項

 

7.管轄の消防署へ提出する

消防署控えと自社控えの2部書類を用意して管轄の消防署へ直接提出をします。 郵送などでの受付は一切していないので注意しましょう。

 

受講後に確認しようと思ったこと

防火、防災の勉強をして会社の防火・防災管理者として、個人として把握しておきたいポイントをまとめました。

・避難経路の確認
・避難場所の確認
・消化器、消火栓の有無、場所、使用期限の確認
・スプリンクラー、防火扉、排煙口の確認
・非常食や防災グッズの確認
・非常用電源の有無
・本棚など地震が来たときに倒れないか、耐震補強しているかの確認

会社だけではなくご自宅でも把握しておくといざというときに安全に避難、火災が発生したときの初期消火などに役立ちます。

 

まとめ

ニュースや新聞などで火災や地震などの災害を目にすることが多いと思いますが、いざ自分の近くで発生したとき、どうすれば良いかわからなくなると思います。
講習を受講して資格を持っていても自分の身に起こったときは、パニックになったり不安になるなどでうまく行動に移せないかもしれません。

ですが、学んだことを定期的に訓練や確認することによって、いざというときに自分の身や会社の社員の身の安全を守る大きな財産になるものです。

防火・防災管理者の取得を検討している方や必要になった方などがいれば、資格をただ取得するだけではなくて意識が変わる良いきっかけとなると思いますので、受けられることをおすすめします。

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