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実例で学ぶ業務改善のはじめかた

2017-06-19 16:29:00
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突然、上司から業務改善を頼まれたときあなたならどうしますか?経費削減、ペーパーレスなど、改善にも様々な方法があってどうやって改善していこうか悩んでしまうと思います。

ただ、お金やエコに関することだけが業務改善というわけではなく、いかに働きやすい環境にするかや業務の効率化も業務改善に含まれます。そして、社風、業務改善の規模、部署ごとに任された業務の特徴によって改善する内容や方法も異なります。

 

【目次】
そもそも業務改善ってなに?
業務改善のはじめかた
業務改善の失敗を防ぐ大切なポイント
まとめ

 

そもそも業務改善ってなに?

文字通り、業務を改善することですが、これだけでは具体的にどういうものかわかりませんよね。

例えば、自分が病気になって体調が優れなかったら、病院に行ったり薬を服用するなど少しでも早く体調を良くするために行動すると思います。
それと同じように、会社の活動も「効率よく行なうこと」「利益を増やしていくこと」「時代に合わせて最新化していくこと」など良くしていくために、経営者だけではなく働いている社員も日々考えながら改善していく取り組みを業務改善といいます。

つまり、会社の資源を使って価値を生み出し、その価値で会社の利益を生み出す根幹の業務を改善をすることによってより良い価値を生み出す環境づくりができるものということになります。

 

業務改善のはじめかた

ここでは過去に経験した業務改善がどのようにはじめたのかお話していきたいと思います。実例の中では「QCD」と呼ばれているセオリーを元にして検証・提案をしていく流れを採用しています。

・Quality:品質
・Cost:コスト
・Delivery:時間など

*製造業の設計や生産に重視するポイントとして使われている言葉です。業務改善でも提案や検証する際に同じ要素を求められることが多いものです。

 

【実例】予算カットから始まった業務改善

この取り組みは、上司から今年度の予算がカットされたので、どこか削れるところないかな?の言葉から始まった業務改善でした。

改善にあたり、製品の品質を落とさないことを条件に試行錯誤しながら以下の流れで取り組みました。

 

1.業務改善チームの結成と情報収集

まず、事務所内の各部署から選出して1つの業務改善チームを作ることになりました。各部署から選出した理由は、事務所全体で何が改善出来るかを考えるには、一部の部署に任せるよりも各部署の実情や改善できる点が見えやすいためです。

チームで会議し、今の事務所で出している製品の品質は落とさないことを基本として、以下の2つを調査することになりました。

 

・各部署でかかっている経費の洗い出し
・事務所全体の光熱費の洗い出し

*ここでの洗い出しは、過去1年分を月間と年間で出していました

 

次に、洗い出した費用をまとめた資料から、ここは結構経費がかかっているのではないかなどをチームで話し合い、リストアップをしてQCDを意識して案をだしました。

 

2.業務改善提案のための調査、分析

製品の品質を落とさずに出来る改善として、電気代に着目して数値化し、以下の4点を調査、分析、数値化をして内容をまとめていきました。

 

・現状の電気料金
・改善案を導入するとどれくらいの節約が見込めるか
・交換にかかる初期費用
・メリット、注意点

 

  今までの蛍光灯(20W/本) LED照明(15W/本)
使用本数 142本
使用時間 12時間
使用日数/月 21日
電力単価 27.0円
消費電力 596.4kwh(28.4kwh/日) 447.3kwh(21.3kwh/日)
照明のみの電気使用料

16,102円/月(193,224円/年)

※1日あたりの消費電力は「{( 0.2kwh(20W) × 142本 ) × 10h } × 27円 」で算出し、小数点以下を切捨てています。

12,077円/月(144,924円/年)

※1日あたりの消費電力は「{( 0.15kwh(15W) × 142本 ) × 10h } × 27円 」で算出し、小数点以下を切捨てています。

 ※消費電力が月間で「4,025円」、年間で「48,300円」の節約が見込めます。

 

購入にかかる費用
蛍光灯:1,000円/本(142,000円/142本)
LED灯:2,400円/本(340,800円/142本)

※蛍光灯の寿命が13,000時間(約3年7ヶ月)、LED照明は寿命が40,000時間(約11年3ヶ月)となります。
※蛍光灯の交換含む年間の費用コストが11年間(LED照明の寿命)で見ると、約3回の交換で426,000円になります。LEDの場合は11年目で交換しても340,800円で、長い目でみると節電・節約の効果は見込めます。

 

LED照明に交換するメリット
・寿命が長いため交換の手間がかからない
・点灯後、すぐに明るくなる
・消費電力が少なく、節電やCO2排出減少になる
・衝撃に強く壊れにくい

 

LED照明の注意点
・蛍光灯よりも重たいので、交換する際の取扱に注意が必要
・購入コストが高い(需要が増えている傾向があるためか、年々価格は下がってきているようです)

 

3.調査、分析した結果を提案書にまとめる

調査、分析した結果で出された改善できるものは提案書にまとめて立案をします。
このとき、提案に対して実現可能かをしっかりまとめることが大切になります。「2.業務改善提案のための調査、分析」で数値化したのは、現状を改善するための裏付けとして他の人がみてもわかりやく、改善する可能性を高めてくれる説得力になるからです。

提案書の形式は特に決まっていませんが、会社のフォーマットがあればそちらを使用しましょう。ない場合は、以下の項目を書面にまとめて記載すると良いです。

 

・日付

・タイトル
「記載例:事務所の蛍光灯をLEDに切替える提案」

・作成者名

・洗い出した問題点
「記載例:電気使用料が高いなど」

・提案する改善内容
「記載例:蛍光灯をLEDに切替えると年間の電気使用料が「◯◯◯◯円」節約できます」

・採用されるとどのようなメリットがあるか、注意点
「記載例:消費電力が少なく、節電やCO2排出減少になるなど」

・改善するための費用
「記載例:LEDに交換する際の電球購入費が「◯◯◯◯円」など」

・改善案を実施するためのスケジュール、留意点
「記載例:◯月◯日に事務所の電気交換を実施など」

 

4.改善案の実施・検証を行なう

当然のことですが、改善案が採用になったらそこで業務改善は終わりにはなりませんよね。

会社の運用方法によりますが、採用が決まったら、実施するスケジュールを固めて実施し、提案通り行われているかや、改善内容と実施結果がかけ離れていないかなど(電気代が改善前より上がっていないかなど)の、問題点が発生していないかを検証をしましょう。

検証するにあたって、注目する項目をいくつか用意することによって問題点が見えやすくなります。実例を実施した時は、以下の注目する項目を用意して検証をしました。

 

・改善スケジュール通りにLED照明の交換は行われたか

・照明の明るさなどのバランスに問題はないか
*一部の席が暗いもしくは明るすぎると、社員の作業効率に影響するため

・購入先や品番などの情報を記した引継書をわかりやすい所に設置しているか

・定期的に使用時間や消費電力などの電気使用料を記録しているか
*改善前と比較するデータがないと結果として改善されているかわからなくなるため

・業務改善することによって業務が増えていないか

 

業務改善の失敗を防ぐ大切なポイント

過去の経験を思い出しながら業務改善をどうはじめていったのかまとめていきましたが、この他にも大切にしたほうが良いポイントがいくつかあります。

 

業務改善によって業務が増えていないか

業務改善をするためには実施するための作業は当然増えてしまいますが、それが最終的に業務として常時負担してしまうことになってしまえば、逆効果になってしまいます。

例えば、給与計算の負担を軽減するためにシステムの導入した場合、システムに詳しくない人が担当に配置されれば、どのように運用していけばいいかわかりませんので「使い方をおぼえる」「改善前のやり方で引続き給与計算をする」などの業務が増えてしまい、目的を持って取り組んだ業務改善の意味がなくなってしまいます。

提案をする前に、実施後どのように運用されるかを、業務改善の内容をまだ知らない人の立場でイメージするなどの確認も大切になります。

 

流行にのっているだけになっていないか

節電、ペーパーレス、見える化などが社会で注目を集めているのにあわせて、様々なソリューションサービスが増えています。

会社経営を続けるためには時代にあわせて改善し、より良い状態にしていくことも大切になりますが、今しようとしている業務改善や業務改善のために導入しようとしているサービスが本当に会社の業務改善になるのかを見極めることも大切になります。

先ほどの給与計算システム導入で例えると、社内に運用出来る人を用意しなければシステムを利用するのが難しくなるかと思います。導入後にその状態だったら、急いで出来る人を採用するか教育するなど、費用も時間もかかってしまうかもしれません。

また、給与計算の経験がない人が給与計算システムを選んで導入して、会社の運用にマッチングしなければ、それだけでも改善の意味がなさなくなってしまう可能性もあります。

業務改善内容によって、会社の経営によって向き不向きがあると思いますので、会社全体、社内や改善に関連する人達の今後を想像して検討する事も必要ではないかと思います。

 

問題点と改善点にずれがないか、問題点の掘り下げが甘くないか

「2.業務改善提案のための調査、分析」で洗い出した問題点や改善点がずれていれば、実施したときに異なる結果を出すことになってしまいます。

給与計算システム導入で例えると、導入前に「給与計算のシステムを扱える人が不足している」という問題点を見つけ、「導入前にシステムを使いこなす体制をつくる」という改善点を見つけなければ、システムの内容に詳しくない担当者が設置して改善結果を出すことが出来なかったということもありえます。

洗い出した問題点と改善点がつながるかを時間を置いてから再確認してみるなど、見誤らないようにする工夫があると良いと思います。

提案した人がわかっているだけになっていないか

実施する意味や必要性を提案した人、案を採用した人だけが理解しているだけでは、他の人から見ると漠然としている状態で取り組むことになりかねません。

実施する意味や必要性を理解してもらうために、実施前に社内通知で周知していく、実施に関する問合せ先を設けるなどの工夫をして全体的な理解度をあげて一緒に改善に取り組み、効果の検証をしあっていく姿勢を持つことが必要になるかと思います。

 

まとめ

今回の業務改善の実例はあくまでも1つの例となりますので、はじめかたは様々あります。
福利厚生で社員に業務改善提案を常時募集して採用されたら表彰される、などを実施している会社もありますし、今回まとめた実例のようにきっかけがあって行なう会社もあります。

どのはじめかたにしても、「人」のための改善、ワークフローなどの「もの」に対する改善、ルールの設置など「こと」に関する改善が関わってくるのではないでしょうか。

まずは、自分の身のまわりの困ったことで「こうしたら楽になるんじゃないか?」というものがあったら少し深く考えて実践してみるところからはじめてみるのも良いと思います。

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