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こんな時どうする?〜パート社員の入社手続き編

2017-03-02 16:34:00
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パート社員は「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」としてパートタイム労働法で定められています。 会社によっては上記に当てはまる社員を「アルバイト」「嘱託職員」「契約社員」などと呼んでいることもあるそうです。

契約期間や労働時間などの労働条件が正社員と異なるため、雇用条件によって雇用保険や社会保険の加入が必要になる場合があります。
今回は雇用保険、社会保険の加入対象者を「フルタイム」、加入対象ではない者を「ショートタイム」と分けて必要な書類や手続きをまとめましたので、手続き方法をしっかりと確認して入社手続きに備えましょう。

 

【目次】
入社手続きを行うために確認すべきこと
入社時に出してもらいたい書類
会社がやるべきパート社員の入社手続きと準備
まとめ

 

入社手続きを行うために確認すべきこと

雇用保険、社会保険の有無

どの雇用形態も雇用条件の確認は必須です。特にパート社員は雇用期間や労働時間によって雇用保険、社会保険が必要かどうかが決まりますので、最低でも「1週間の労働時間」「契約期間の定めの有無」「契約更新の有無」の3点は確認漏れのないようにしましょう。

 

*雇用保険の加入対象は以下の通りです。

1. 1週間の所定労働時間が20時間以上
2.1ヶ月以上(31日以上)雇用の見込みがある

 
*社会保険(厚生年金、健康保険)の加入対象は以下の通りです。

1.1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が一般社員の3/4以上
2.1ヶ月の所定労働日数が一般社員の3/4以上

*必ずしも雇用保険、社会保険の両方加入するというわけではなく、雇用保険のみ加入、という場合もあります。

 

賃金の確認

雇用契約書に表記しているを最低賃金法に違反していないかの確認は必ず行いましょう。 最低賃金は厚生労働省または都道府県労働局のサイトで見ることができます。
参考:厚生労働省|最低賃金制度

 

労災保険の加入漏れがないかの確認

社員が業務上や通勤途中で怪我や病気をした時に保険給付を行う制度で、労働者であれば雇用形態関係なくパート社員も加入の対象になります。

 

入社時に出してもらいたい書類

住民票記載事項証明書

本人の住所(通勤手当や住民税の源泉徴収支払先)確認に必要です。一般的に3〜6ヶ月以内に発行したもので、不要な情報(「本籍・筆頭者」「変更事項」)の記載は省略をしてもらいましょう。

*扶養者がいる場合は世帯全員分の住民票が必要となります。
*会社の運用によっては住民票の提出が不要なケースがありますので、運用ルールの事前確認も忘れずに。

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

雇用保険被保険者証

前職で雇用保険に加入していた場合は、退職時に雇用保険被保険者証をいただいているかと思います。雇用されていたことと雇用された日を証明するために必要な証明書となるので必ず提出してもらいます。

*雇用保険被保険者証がない時は、以下の方法で手続きが進められる場合があります。
前職からもらえていない場合:本人が前職へ確認をしていただくようにしてもらいましょう。

雇用保険被保険者証を紛失した場合:
1.本人が管轄の職業安定所の窓口に「雇用保険被保険者証再交付申請書」を提出し、再発行してもらいます。そのとき、印鑑と運転免許証などの身分証明書が必要となります。

2.以下の情報をいただいて手続きを行う(状況によっては本人や前職へ確認を行うこと場があるため、時間がかかる可能性があります)

・雇用保険者番号
・前職の会社名
・前職の在籍期間
・前職の連絡先、住所

提出対象:フルタイム

 

年金手帳

社会保険(厚生年金、健康保険)に加入するために必要になります。配偶者を扶養する場合は配偶者分も必要になります。

*前職がなくても20歳になった時に国から年金手帳が交付されているので、紛失などで手元にない場合は再交付申請をしてもらいましょう。
*共済年金に加入、遺族年金を受給しているなどで年金手帳を交付されていない方がいたら、「基礎年金番号通知書」などで基礎年金番号を確認してください。
*20歳未満で前職で厚生年金に加入していた場合、年金手帳を交付されているので提出してもらいましょう。

提出対象:フルタイム

 

源泉徴収票

会社で実施している年末調整で使用するため、「年末調整を会社で行う方」「年内に再就職した方」は提出必須となります。
提出がないと希望があっても会社で源泉徴収税額が正しく算出できず、年末調整をすることができないので注意しましょう。

*紛失した場合は、本人が前職に問合せて再発行してもらう必要があります。

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

毎月の給与から徴収される所得税が被保険者(社員本人)の扶養家族の有無や人数などによって異なるため、正確な所得税の算出を行うために必ず提出してもらいます。

ただし、2か所以上で勤務している場合は各勤務先に提出できないため、1か所で提出してもらいましょう。

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

マイナンバー

社会保険を含む社会保障、災害対策、税に関する手続きなどでマイナンバーが必須となります。
提出に理解してもらうために必要に応じてマイナンバーが必要な手続き、使用目的などを説明するといいかと思います。

 

*マイナンバーが必要な手続きは以下の通りです。

・雇用保険加入時
・健康保険・厚生年金加入時・年末調整時
・配偶者が国民年金第3号被保険者となる時

*この場合は配偶者、扶養親族ともにマイナンバーが必要です。
・扶養親族がいる場合はその家族全員分
・年金の資格取得時(20歳未満の労働者の場合)

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

雇用契約書

入社する社員と会社の双方で賃金、労働時間、職種などの労働条件があっているかを確認、同意して入社してもらうために必要な契約書になります。
また、雇用保険、社会保険の加入手続きにも添付が必要となる大事な契約書になります。

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

給与振込先の届出書

給与を支払うために、振込先の口座情報を届出でもらわなければなりません。会社によっては通帳(支店、口座番号、名義が記載されているページ)の写しを届出書と一緒に提出したり、クラウドサービスを利用して登録をして届出自体が不要だったりと会社によって提出方法が異なります。

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

通勤手当など各種手当支給届出書

通勤手当以外にも住宅、扶養、資格など様々な手当があるかと思います。それらの手当を支給している場合は「どの手当を」「誰に」「いくら支払うのか」といった情報が必要となるため、届出をしてもらわなければなりません。

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

資格免許証、合格証明書類など

手当を支給する場合の資格保有の証明や学歴の証明や業務に従事するための知識や能力があるかといった判断をするために必要な書類になります。

例えば、勤務中に車を使用して移動する必要がある場合は運転免許証、飲食店で調理を行う場合は調理師免許、学校を卒業して間もない場合などは卒業証明書や卒業見込み証明書、など様々な証明書類があります。

提出対象:フルタイム、ショートタイム

 

会社がやるべきパート社員の入社手続きと準備

雇用契約書(労働契約書)の作成

会社は雇用(労働)条件を明示し、入社する社員は内容を確認して承諾をしなければ雇用の成立にはならないため、必ず作成しなければなりません。
会社控えと本人控えの2部が必要となり、以下の内容を必ず記載しなければなりません。

・労働契約の期間に関する事項
 *契約期間がある場合はその期間、ない場合にはその旨
 *契約期間がある場合は更新の有無および更新の基準
・就業に関する事項
・従事する業務に関する事項
・始業及び終業の時刻、所定労働時間を越える労働の有無、休憩時間、休日に関する事項
・賃金(基本給、計算方法、賃金の締切・支払日、諸手当・賞与・昇給)に関する事項
・退職に関する事項
 *解雇の事由も記載

 

貸出物や備品の手配

会社によって準備するものは様々だと思いますが、入社後すぐ働けるようにするには何が必要なのかを洗出し、入社する前に揃っている状態にしておくように心がけましょう。

例えば、制服や作業着を支給するのであればサイズを確認して購入したり、業務で使用してもらうPCや席の用意、社員証の作成や名刺の発注も入社後すぐ働くために必要なもののひとつになります。

 

社会保険・雇用保険の資格取得手続き

「入社手続きを行うために確認すべきこと」でお話した、雇用保険、社会保険の加入資格を満たした社員に対して資格取得の手続きを行わなければなりません。

社会保険の場合は、提出する書類は社員に扶養義務のある親族がいるかいないかで変わりますので、状況の確認を忘れずにしましょう。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

社員の健康保険の資格取得時の書類です。「1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が一般社員の3/4以上」かつ「1ヶ月の所定労働日数が一般社員の3/4以上」のパート社員は加入の対象になります。

届出の記載欄にある標準報酬月額は、雇用契約に明記している月給、日給、時給、勤務日数に基づいて算出した月の給与額を「保険料額表」に当てはめて記載します。

*「保険料額表」は加入している健康保険組合で出しているものを確認してください。

 

健康保険 被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者 資格取得等届

社員が配偶者や子供など扶養義務のある家族がいる場合、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」と一緒に提出します。

被扶養者の加入条件

・配偶者(内縁関係の配偶者も含む)
・子供、孫、兄弟姉妹
・社員の父母、祖父母
・同居している社員の3親等以内の親族
・同居している内縁関係の配偶者の父母、子供

 

*以下の条件に該当している場合は被扶養者の対象外となります。

・後期高齢者医療制度の被保険者
・年間収入が130万円以上、または月給が108,334円以上
・雇用保険等の受給者で日額3,612円以上
・同居している被保険者の収入が被保険者の収入の半分以上

 

添付書類

・課税・非課税証明書(被扶養者に収入がある場合)
・雇用契約書写しなど勤務状況がわかる書類(被扶養者が勤務している場合)
・年金改定通知書の写し(年金収入がある被扶養者がいる場合)、被扶養者の年金手帳

 

雇用保険被保険者資格取得届

社員の健雇用保険の資格取得時の書類です。「1週間の所定労働時間が20時間以上」かつ「1ヶ月以上(31日以上)雇用の見込みがある」パート社員は加入の対象になります。

 

給与や税金に関する回付け

毎月の給与に対する源泉徴収や年末調整など、税額を正確に算出して社員の代わりに納付するために手続きを行わなければ行けません。
また、入社する社員から提出してもらった届出書類は一定期間保管をしなければならないため、紛失や破棄をしないように管理しましょう。

 

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与から控除する源泉徴収税額は、社員が配偶者や子供など扶養親族がいるなどの状況によって金額が異なります。
正しい源泉徴収税額を控除するために必ず提出してもらいましょう。

 

労働者名簿の作成

労働基準法で社員名簿の作成が義務付けられているため、忘れずに作成しましょう。
管理をしっかりと行うことにより、会社にどれくらい、どのような雇用形態の社員がいるのかの把握や、雇用契約の更新、内容の変更などの履歴も残せて管理しやすくなります。

 

必須項目は以下のとおりです。

一  性別
二  住所
三  従事する業務の種類
四  雇入の年月日
五  退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)
六  死亡の年月日及びその原因

引用:労働基準法施行規則第五十三条

 

まとめ

会社の規模や業種を問わず、会社経営の戦力になってくれる社員を雇用するために柔軟な雇用形態を設けていたり、これから検討しているところもあるかと思います。
同じ社員として気持ちよく働いていけるようにしっかりとポイント整理をしておきましょう。

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