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社員の入社に関する手続きと流れ

2017-03-02 12:44:00
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社員を雇用することはどの会社でも必ずあるかと思います。特に4月は人事異動や新入社員の入社で人の動きが多い時期ですし、新卒採用を行っていない場合でも中途採用など不定期に発生する入社で手続きや業務の負担はとても大きくなっているのではないでしょうか。

「何をいつまでに準備すれば良いのか」「どのような手続きが必要か」「もらった書類がどの手続で必要か」「手続きに必要な書類がない」…など疑問やトラブルが発生を防ぐためのポイントをまとめましたので、社員の入社に関する手続きと業務の流れを覚えていきましょう。

 

【目次】
入社前に会社がやるべき準備
入社する社員に出してもらいたい書類
入社する社員のために会社がやるべき手続き
まとめ

 

入社前に会社がやるべき準備

入社することが決まった時、どのようなことを会社からお願いすべきかや必要な手続き、提出物を全てわかっているわけではありませんし、会社から案内がこないと本当に採用されたのか不安になってしまします。
安心して入社してもらうためにも、決まったら速やかにご案内の準備に取りかかりましょう。会社によって内容が異なるかもしれませんが、入社前に必要なものをまとめました。

1. 労働条件の確認

採用が決まった社員の雇用形態(正社員、契約社員、パート、アルバイトなど)、労働時間や日数、職種、仕事内容、給与額など入社する社員の労働条件を確認します。
確認した労働条件は採用通知書と雇用契約書(労働条件通知書)にまとめて記載する必要がありますので、間違えや漏れがないように注意しましょう。

 

2.採用通知書(内定通知書)、入社承諾書、誓約書の発送

採用のお知らせと入社の意思を確認するため、決定したらすぐに交付、発送しましょう。一般的に採用通知書(内定通知書)、入社承諾書、誓約書の3点を同封して発送することが多いです。
各書類の役割と内容は以下の通りになります。 

 

採用通知書(内定通知書)

会社が正式に採用をお知らせするとともに、入社を心待ちにしているという感謝の気持ちを表した書類です。会社ごと内容は異なりますが、基本的に以下の内容が記載されていることが多いです。 

・入社年月日
・勤務地
・配属先(部署)
・労働条件
・その他伝えたい事項
・問合せ先

 

入社承諾書、誓約書

採用者の入社の意思を確認するための書類です。この書類がなければ意思の確認が取れないため、入社を断られた時に求人を出すなどの対応のスピードが変わります。また、採用された側も入社の意思を表明しやすくなるため、両者間で意思の疎通ができます。

会社によって書類の形式や記載内容は異なりますが、基本的に書類に署名・捺印の欄を設けており、採用者が入社に同意をしたら署名・捺印をして返送する流れとなります。返送してもらう際に会社側では返送先の宛名を記載した返信用封筒を用意すると親切な対応になります。

 

3.雇用契約書(労働契約書)の作成

採用者の署名・捺印がされた入社承諾書、誓約書が届いたことが確認できたら、雇用契約書(労働契約書)の作成に取り掛かります。
一般的に会社控えと本人控えの2部が必要となり、以下の内容を必ず記載しなければなりません。

 

・労働契約の期間に関する事項
 *契約期間がある場合はその期間、ない場合にはその旨
 *契約期間がある場合は更新の有無および更新の基準
・就業に関する事項
・従事する業務に関する事項
・始業及び終業の時刻、所定労働時間を越える労働の有無、休憩時間、休日に関する事項
・賃金(基本給、計算方法、賃金の締切・支払日、諸手当・賞与・昇給)に関する事項
・退職に関する事項
 *解雇の事由も記載

 

4.入社する社員が使用する貸出物や備品の手配

・制服
制服のある会社の場合は、あらかじめサイズを聞いて入社日までに用意しておきましょう。

・社員証、名刺
「氏名」「部署名」「役職」「配属先住所」など労働条件などの確認時に入手した情報を元にして作成します。
情報に間違いがないようにしっかりと確認し、入社日までに手配しておきましょう。

・机、イス、電話、PC、事務用品などの備品
・メールアドレス登録、インターネット環境などの設定
入社初日にすぐ業務に取り掛かれるように必要な備品や環境は必ず入社日までに準備しましょう。

 

入社する社員に出してもらいたい書類

会社と社員の双方が安心して運営・働けるように社員の情報の取得や保障しなければなりません。なぜ、必要な手続きの種類、内容、なぜ必要なのかをまとめてみました。

 

住民票記載事項証明書

本人の住所(通勤手当や住民税の源泉徴収支払先)確認に必要です。会社の規定によって異なる場合がありますが、3〜6ヶ月以内に発行したものを提出してもらうのが望ましいです。

*「本籍・筆頭者」「変更事項」は会社では不要な情報のため、記載の省略をしてもらいましょう。
*扶養者がいる場合は世帯全員分の住民票が必要となります。

雇用保険被保険者証

前職で雇用保険に加入していた方は、雇用されたことと雇用された日を職業安定所に証明しなければなりません。
新卒入社など今まで雇用保険に加入したことのない方は、雇用保険被保険者証自体がないので新たに加入するための手続きを会社がします。

*雇用保険被保険者証が前職からもらえていない社員がいる場合は、社員本人が前職へ確認を取るようにしてください。

 

年金手帳

社会保険(厚生年金、健康保険)に加入するため必要になります。配偶者を扶養する場合は本人分の他に配偶者の年金手帳も必要です。

*前職がなくても20歳になった時に年金手帳を交付されているため、紛失など手元にない場合は再交付申請を行いましょう。
*共済年金に加入、遺族年金を受給している方など年金手帳を交付されていない場合は基礎年金番号を確認しましょう。
*20歳未満で前職で厚生年金に加入していた場合は年金手帳を交付されているため、提出の対象となります。

 

源泉徴収票

会社で年末に実施する年末調整で使用するため、「年末調整を会社で行う方」「年内に再就職した方」は必要となります。
源泉徴収票の提出がないと、源泉徴収税額が正確に算出できないだけではなく、会社で年末調整ができないので注意しましょう。

 

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

毎月の給与から徴収される所得税は、被保険者(社員本人)のみの場合や配偶者や扶養家族が加わる場合など人数や状況によって変わります。
正確な状況を把握し所得税を正しく算出するため、会社が直接雇用した社員(アルバイト、パートも含む)は扶養家族の有無関係なく、必ず提出してもらいます。

*2か所以上で勤務している方は2枚同時に提出ができないため、1か所で提出してもらいましょう。

 

健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者 資格取得等届

配偶者や子供など入社する社員の収入で生計を立てている家族や親族がいる場合、扶養家族として健康保険に加入することができます。本人の印鑑、扶養家族によっては添付書類が必要になります。
また、配偶者を扶養する場合は「国民年金第3号被保険者 資格取得等届」も同時に提出します。届出書類には配偶者の捺印と記載、状況によっては添付書類が必要になります。

 

*詳細は「3.入社する社員のために会社がやるべき手続き」の「健康保険 被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者 資格取得等届」にまとめています。

 

マイナンバー

社会保障・税・災害対策などの各種手続きで本人確認でマイナンバーの記載が必須となりました。記載の対象になるのは以下の項目になります。

 

・雇用保険加入時
・健康保険・厚生年金加入時
・年末調整時
・配偶者が国民年金第3号被保険者となる時
 *この場合は配偶者のマイナンバーが必要です。
・扶養家族がいる場合はその家族全員分
・年金の資格取得時(20歳未満の労働者の場合)

 

雇用契約書

賃金や労働時間などの労働条件や会社のルールなどを雇用契約書として会社は明示し、入社する社員と内容を確認、双方が同意した上で契約を結びます。雇用契約書には会社と本人のサインと捺印が必要になります。

 

給与振込先の届出書

給与を振り込むのに必要な口座情報を届出してもらうのに必要な書類となります。会社によっては、通帳(支店、口座、名義が記載されているページ)の写しを届出書と一緒に提出する場合や通帳の写しのみなど、提出方法が異なります。

 

身元保証書

入社する社員が入社後に会社に大きな損害を与えてしまった時、社員本人だけが損害を賠償しきれない場合などに保証人が一緒に賠償をする保証になります。
社員の身元保証や身元保証人が実在しているかなどの確認のため、印鑑証明書の添付が必要な場合があります。

 

通勤手当などの各種手当支給届出書

福利厚生のひとつとして手当を支給する会社の場合は、手当を支給するための届出をしてもらわなければなりません。
手当の例ですと、通勤手当、住宅手当、家族手当などの他、寒冷地手当や海外赴任手当など赴任した地域によって支給される手当、保有している資格を使って業務を行う場合は資格手当などがあります。

 

資格免許証、合格証明書類など

学歴や保有している資格が正しいかの確認、業務に従事するための知識や能力があるかの証明のために必要です。
例えば、新卒入社の場合なら卒業見込み証明書、車を使用する移動が勤務中に必要であれば運転免許証など必要に応じて確認する証明書は様々です。

 

健康診断書

会社は労働安全衛生法の定めにより、入社する社員に入社前に健康診断を受診もらい、その結果を健康診断書として提出してもらう義務づけがされています。社員が安心・安全に働くためにも受診のし忘れや提出漏れがないようにしてください。
健康診断書は入社3ヶ月以内に受診したものか、中途採用での入社の場合は前職で受診した時のもので以下の検査項目が必須になります。

 

・既往症及び業務歴の調査(問診・聴診)
・自覚症状及び他覚症状の有無の検査(問診・聴診)
・身長、体重、腹囲、視力(裸眼・矯正)、聴力の検査(1,000Hzおよび4,000Hzの30dBで純音を用いたオージオメーターでの検査)
・腹囲の測定
・血圧の測定
・胸部エックス線検査(直接撮影)
・尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
・貧血検査(赤血球数、血色素量)
・肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
・血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
・血糖検査(グルコース)
・心電図検査(安静時心電図検査)

*会社によって、健康診断書の提出が入社前より早い段階で求められたり、受診項目の指定が職種によってはあったり、入社直後に健康診断の実施をするなど提出のタイミングや内容が異なる場合があるのでよく確認しましょう。

 

入社する社員のために会社がやるべき手続き

「入社する社員に出してもらいたい書類」と同様、会社は法律の定めに従い社員の情報を、社員は自身や扶養している家族の生活の保障をしてもらうために以下の手続きや書類の作成は必要となりますので、しっかりと確認していきましょう。

 

1.健康保険資格取得手続き

入社した社員が業務上以外での怪我や病気をした時、治療・通院費の一部を会社が負担してくれる保証になります。提出する書類は社員に配偶者など扶養親族がいるかいないかで変わります。
いる場合は「健康保険 被扶養者(異動)届」「国民年金第3号被保険者 資格取得等届」に記入・捺印をしていただく必要があるので、社員から書類をいただいた時に記載漏れや誤りがないかしっかり確認を取りましょう。

 

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

社員の健康保険取得を行うために必要な書類です。労働条件に基づいて決めた月の給与額を「保険料額表」に当てはめて標準報酬月額を記載するところがあります。余裕を持って社員の給与額を決めておきましょう。
*「保険料額表」は加入している健康保険組合で出しているものを確認してください。

 

健康保険 被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者 資格取得等届

社員に配偶者や子供など扶養義務のある家族がいる場合、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」と一緒に提出しなければなりません。また、被扶養者の対象は以下の通りとなります。

・配偶者(内縁関係の配偶者も含む)
・子供、孫、兄弟姉妹
・社員の父母、祖父母
・同居している社員の3親等以内の親族
・同居している内縁関係の配偶者の父母、子供

 

*以下の条件に該当している場合は被扶養者の対象外となります。
・後期高齢者医療制度の被保険者
・年間収入が130万円以上、または月給が108,334円以上
・雇用保険等の受給者で日額3,612円以上
・同居している被保険者の収入が被保険者の収入の半分以上

対象:社会保険加入対象者全員
提出期限:入社日(雇用した日)の5日以内
提出先:管轄の年金事務所
添付書類:課税・非課税証明書(被扶養者に収入がある場合)、雇用契約書写しなど勤務状況がわかる書類(被扶養者が勤務している場合)、年金改定通知書の写し(年金収入がある被扶養者がいる場合)、被扶養者の年金手帳

 

2.雇用保険資格取得手続き

入社した社員が業務上で怪我や病気をした時、失業した時の保証になります。「雇用保険被保険者資格取得届」に必要事項を記入して提出しましょう。

前職で雇用保険に加入していた方がいたら前職の「雇用保険被保険者証」を提出していただき、雇用保険者番号を「雇用保険被保険者資格取得届」に記載します。

 

対象:雇用保険加入対象者全員
提出期限:入社日(雇用した日)の翌月10日以内
提出先:管轄の職業安定所
添付書類:労働者名簿、出勤簿(タイムカード)、賃金台帳
*添付書類は提出は基本的に必要なものを記載しましたが、管轄の職業安定所によって若干異なりますので、事前に確認してください。

*前職で雇用保険に加入している方が雇用保険被保険者証を持っていなかった場合は、以下の情報があれば手続き可能です。

・雇用保険者番号
・前職の会社名
・前職の在籍期間
・前職の連絡先、住所

*労災保険は会社が適用事業所としての届出が済んでいれば、雇用保険資格取得手続きをした時に自動的に加入となります。

 

3.給与関係、住民税に関する回付けや申告

会社が社員の所得税を毎月の給与から源泉徴収して代わりに納付ができるようにするための手続きになります。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

源泉徴収する金額は入社した社員に配偶者など扶養親族がいるなどの状況により異なるため、必要となります。社員から回収した申告書は会社で保管をします。

 

給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書

中途採用で入社した方で住民税の特別徴収の引継ぎを希望した場合は、「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」をその社員の住民税の納付先市区町村に提出しなければいけません。

 

給与所得・退職所得に対する所得税源泉徴収簿

社員に支払う毎月の給与に対する源泉徴収、年末調整などを正確に処理するための記録として必要な帳簿になります。最初の給与支払いまでに作成して会社で保管をします。
その時、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の内容も一緒に記載しておきましょう。

 

4.社員名簿の作成

労働基準法の定めにより、名簿を作成して会社に保管することが義務付けられているため忘れず作成しましょう。必須の記入事項は以下のとおりです。

一  性別
二  住所
三  従事する業務の種類
四  雇入の年月日
五  退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)
六  死亡の年月日及びその原因

引用:労働基準法施行規則第五十三条

 

まとめ

会社が人を雇用した時、新卒か中途採用かや家族を扶養するかしないかなど、社員の状態によって準備する内容や手続きの流れに違いがあるため、はじめて手続きをおこなう時が一番大変かもしれません。

まずは、この場合はこの手続き、この書類が必要などをこの記事と会社の人事採用ルールと照らし合わせながら確認していただき、実践していただくのが流れをつかむ近道になるのではないかと思います。

同時に入社する社員に安心して入社・業務に従事してもらうために、実践後にしっかりと振返りを行い、スムーズに手続きができるよう改善や質問などがあった時に素早く対応できるように学習をしていくことも大切です。

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