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こんな時どうする?〜定年退職後の再雇用手続き編

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平成25年4月1日から「高年齢者雇用安定法」第9条で以下の項目が改正され、会社は上記に挙げられているいずれかを導入しなければならなくなりました。

・定年年齢を65歳まで引上げ
・継続雇用制度の導入(65歳未満の社員に限り、定年退職後も希望があれば再雇用を行う制度)
・定年の定めを廃止
(参照先:高年齢者雇用安定法第9条)

その中で「継続雇用制度(定年退職後の再雇用制度)」を導入している会社もあるかと思います。
定年退職の社員を再雇用する場合、一度退職の手続きを行い、退職日と同日に入社と少しややこしく感じている方もいるのではないでしょうか。
今回は定年退職の社員を再雇用するとき、どのような手続きを行うのかなどの流れをまとめてみました。

 

【目次】
再雇用するときに出してもらいたい書類
会社がやるべき再雇用の手続き
まとめ

 

 

再雇用するときに出してもらいたい書類 

健康保険被保険者証(扶養者がいる場合はその分も)

定年退職後の再雇用に伴い、社会保険・厚生年金の資格喪失と資格取得を同時に行わなければいけません。そのため、今まで使っていた健康保険被保険者証を返却してもらいます。
再度資格取得の手続きが完了したら新しい健康保険被保険者証が発行されますので、通院中などでそうしても必要だという申出があった場合は「健康保険被保険者資格証明書」を交付すると良いです。

 

*健康保険被保険者資格証明書
通院の必要や早急に病院で受診しなければならないなどの事情があった場合に、健康保険被保険者証の発行までの間、保険証の代わり(資格がある証明)として交付できる証明書です。
健康保険被保険者証発行後は必ず返却しなければいけないものになりますので、交付時はその旨を必ず説明しましょう。

各健康保険組合によって様式や手続き方法に異なりがあるかと思いますので、必要になった際は加入している健康保険組合にお問合せください。

 

健康保険 被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者 資格取得等届

定年退職後の再雇用に伴う、社会保険・厚生年金の資格喪失と資格取得を同時に行うため、被扶養者がいる場合はこちらの手続きも必要となるので、本人の印鑑、扶養家族の状況によって添付書類が必要になります。
また、配偶者を扶養する場合は「国民年金第3号被保険者 資格取得等届」に配偶者の記入と捺印、状況によって添付書類が必要になります。

 

雇用契約書(労働契約書)

退職後、新たに入社(再雇用)するため、賃金や労働時間が変わらなかったとしても労働条件や会社のルールなどを雇用契約書として会社が明示する必要があります。
内容を確認して双方で納得いく雇用条件であれば契約を結びます。この時、社員本人が会社と本人の控えにサイン、捺印をすれば雇用契約が成立した、ということになります。

 

 

会社がやるべき再雇用の手続き

雇用契約書(労働契約書)の作成

一度退職をして再雇用する状態になりますので、新たに雇用契約を結ぶ必要があります。 入社時と同様に会社控えと本人控えの2部が必要となり、必要に応じて今までの雇用条件からの変更点を伝えて双方が納得出来るようにしましょう。

また、雇用契約書(労働契約書)には必ず記載しなければいけない項目があるので漏れがないように注意してください。

 

・労働契約の期間に関する事項
 *契約期間がある場合はその期間、ない場合にはその旨
 *契約期間がある場合は更新の有無および更新の基準
・就業に関する事項・従事する業務に関する事項
・始業及び終業の時刻、所定労働時間を越える労働の有無、休憩時間、休日に関する事項
・賃金(基本給、計算方法、賃金の締切・支払日、諸手当・賞与・昇給)に関する事項
・退職に関する事項
 *解雇の事由も記載

*「労働契約の期間に関する事項」について、労働契約の期間を設けているケースとそうではないケースがあるかと思いますので、自社の就業規則をご確認の上、契約書の作成を行ってください。

 

健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届

「定年退職で資格喪失」「再雇用で資格取得」この2つの手続きを資格喪失日と資格取得日を同日付けで行います。この時、定年退職したことがわかる書類(就業規則や定年退職に関する規定)の添付も忘れないようにしましょう。

*再雇用後の1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が一般社員の3/4未満になると加入条件から外れるため、資格喪失の手続きのみとなりますので、雇用条件はしっかりと確認してください。

 

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

資格取得時の標準報酬月額の記載の際、再雇用時の月の給与額を「保険料額表」に当てはめて記載をしてください。

*「保険料額表」は加入している健康保険組合で出しているものを確認してください。

 

健康保険 被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者 資格取得等届

配偶者や子供などの扶養義務のある親族がいる場合も一度資格喪失の状態になるため、資格取得の手続きが必要になります。

 

被扶養者の加入条件
・配偶者(内縁関係の配偶者も含む)
・子供、孫、兄弟姉妹
・社員の父母、祖父母
・同居している社員の3親等以内の親族
・同居している内縁関係の配偶者の父母、子供

 

*以下の条件に該当している場合は被扶養者の対象外となります。
・後期高齢者医療制度の被保険者
・年間収入が130万円以上、または月給が108,334円以上
・雇用保険等の受給者で日額3,612円以上
・同居している被保険者の収入が被保険者の収入の半分以上

 

添付書類
・課税・非課税証明書(被扶養者に収入がある場合)
・雇用契約書写しなど勤務状況がわかる書類(被扶養者が勤務している場合)
・年金改定通知書の写し(年金収入がある被扶養者がいる場合)、被扶養者の年金手帳
*被保険者(再雇用の社員)が、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が一般社員の3/4未満の場合は加入条件を満たしていないため、被扶養者の資格取得手続きが出来ません。

 

雇用保険被保険者資格喪失届

再雇用後の所定労働時間が1週間20時間未満の場合、雇用保険の加入条件から外れるため、資格喪失が必要となります。
1週間20時間以上の労働時間の場合は喪失などの手続きはしなくて大丈夫です。

 

労働者名簿の作成または更新

退職後の再雇用なので新規に労働者名簿を作成するケースと今までの労働者名簿に変更事項を追記して更新をするケースがあるかと思います。
手続きで後回しにして忘れてしまった、ということがないように行いましょう。

 

 

まとめ

定年後の再雇用は様々な形があるかと思います。今回は自社の再雇用制度で働く場合の手続きをまとめましたが、新卒、中途などで新規で入社する社員よりも手続きのボリュームは多くないことと、社会保険や雇用保険の資格喪失と資格取得を同時に行うところがこの雇用形態の独自の特徴になります。

また、勤務日数や時間によっては雇用保険、健康保険の資格取得するかしないかが変わりますし、年金を受給しながら働くケースもあり、しっかり情報を確認した上で雇用の手続きを行うことが重要なポイントとなります。

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