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【覚えておきたい会社のマナー】「退職願」「退職届」の違い

2017-08-28 10:13:00
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婚姻や転職などの社会生活の大きな転機の準備として退職の手続きがあります。会社に提出した、受け取ったなどと様々な場面で退職の届出に触れた経験のある方も多いのではないでしょうか。

退職の届出には「退職届」と「退職願」の2つが存在しますが、名称の違いだけではなく、取扱いも異なるのはご存知でしたか?
今回はそれぞれの違いと正しい取扱いについて調べてまとめましたので、社会人の基礎知識として、バックオフィス業務の基礎のひとつとして押さえていきましょう。

*退職の書類に関するご相談などは、最寄りの労働局や会社の社労士など関連する士業の方へお願いします。

 

【目次】
退職願とは
退職届とは
辞表は誰が出すもの?
退職願・退職届の取り下げは可能?
退職願・退職届の書き方
まとめ

 

退職願とは

社員(労働者)が「退職を希望しているので承認していただけませんか」と会社(使用者)に願い出るときに用います。

退職届が社員が会社へ退職しますと一方的な申出をするものに対して退職願は、社員と会社の間で退職の合意を行い、退職手続きに進むところが大きな特徴であり退職届との違いとなります。

退職願を受領後の流れとして、会社は承認・否認の判断をします。承認になればその時点で、社員(労働者)は退職(労働契約の解除)が出来るようになります。

退職願の提出は、承認期間や手続き、業務の引継ぎなどを考慮して1ヶ月前まで、最低でも2週間前に出すことが望ましいです。
もし、会社が提出のあった退職願に対して承認などの回答をしなかった場合、民法の定めにより、提出から2週間が経過した時点で承認されたとみなされます。ですので、社員は書類に記載した日時をもって退職することができます。

参考:民法第627条1項

 

退職届とは

社員(労働者)が退職します、と届け出る書類で、会社へ退職の願い出る以上に退職の意思を強く表明するときに用います。

退職願が社員と会社で退職の合意を行うものに対して、退職届は、社員自身の都合などの理由で一方的な退職の申出となるので、会社へ提出した時点で退職手続きに進むところが大きな特徴であり退職願との違いになります。

つまり、退職届を提出した時点で合意を求めずとも記載している期日をもって退職する意思は変わりませんと意思表示しているので、退職(労働契約の解除)が出来る状態であるということです。

ただし、民法上で退職(労働契約の解除)が出来るのは、退職届の提出(届出の申出した日)から2週間後になりますので、退職届を出せばすぐに退職出来るというわけではありません。 提出は引継ぎや退職にかかる手続きなども考慮して1ヶ月前まで、最低でも2週間前に出すことが望ましいです。

参考:民法第627条1項

 

辞表は誰が出すもの?

会社の経営者や役員が自分の役職や役割を辞するときや、公務員が退職する際に届け出る書類として用いられる書類で、退職届と同様に提出された時点で辞職が出来る状態になります。

経営者や役員以外の役職の人が退職する際に使うケースもありますが、一般職(役職のない人)が退職する際、辞表を用いて届け出ることはないと考えのが一般的です。

 

「退職願」「退職届」の取り下げは可能?

会社によりますが基本的には、退職願の場合は退職希望の願い出をしている状態なので、承認される前であれば願い出ている社員(労働者)は取り下げの申し出ができます。

退職届の場合は、提出した時点で退職(労働契約の解除)が出来る状態ですので、原則、会社が認める理由などない限りは取り下げが出来ません。

どちらの届出の違いを理解した上で、提出する側は意識して「退職願」と「退職届」どちらで提出するかを判断すること、受け取る側は、取り下げがあった場合の判断を承認者や会社の社労士などの士業の方へ相談した上で取扱いを決めておくことをおすすめします。

 

退職願・退職届の書き方

退職願や退職届は、A4やB5サイズの便箋に黒いペン(ボールペン、サインペン、万年筆など)を使って手書きで作成していることが一般的に多いのですが、形式は法律で定められているものではありませんので明確な決まりはありません。

会社によって、PCで作成したものや会社指定のフォーマットに記入するなど、提出方法は様々です。
参考例として、手書きの方法とPCで作成する際にご利用いただけるテンプレートをご用意しましたので、個人用や会社用などでご活用いただければと思います。

手書きの方法とポイント

 

退職願のポイント
①タイトルは一行目中央に記入します
②二行目に下揃えで「私事、」と記入します
「私事、」とは、自分自身の事情のことをいいます。私の事情でこの退職願を提出します、という一言を「私事、」に置きかえて記入しましょう。私の事情で大変恐縮ですがというかっちりとした表現が良い場合は「私儀、」を使うと良いです。
③会社と合意した際に決めた退職日を記入します
④退職願の場合は承認してもらうための伺いを立てるので「〜お願い申し上げます」と記入するのが望ましいです。
⑤一行あけて退職願を提出する年月日を記入します
⑥所属部署名、氏名、シャチハタ以外の印鑑の捺印をします
⑦会社の正式名称、代表者の正式な役職名、氏名を記入します。氏名の後ろに記入する敬称は「殿」でも良いです。

 

退職届のポイント
①タイトルは一行目中央に記入します
②「私事、」とは、自分自身の事情のことをいいます。私の事情でこの退職願を提出します、という一言を「私事、」に置きかえて文章の最初(下揃え)に記入しましょう。
私の事情で大変恐縮ですがというかっちりとした表現が良い場合は「私儀、」を使うと良いです。
③退職日を記入します
④退職届の場合、退職の旨を一方的に伝えるものですので、「〜いたします」と断言しましょう。
⑤一行あけて退職届を提出する年月日を記入します
⑥正式な所属部署名、氏名、シャチハタ以外の印鑑の捺印をします
⑦会社の正式名称、代表者の正式な役職名、氏名を記入します。氏名の後ろに記入する敬称は「殿」でも良いです。

 

退職願・退職届のテンプレートとポイント

PCで作成するときのポイント(縦書きの場合)

退職願テンプレート(縦型).docx
退職届テンプレート(縦型).docx

 

縦型の形式は手書きのポイントと同様ですが、自分の名前の後ろにシャチハタ以外の印鑑を捺印を忘れないようにしましょう。

また、退職願と退職届では「退職いたしたくお願い申し上げます」「退職いたします」と書類の性格上、結び言葉が異なりますので、注意が必要です。

 

PCで作成するときのポイント(横書きの場合)

退職願テンプレート(横型).docx
退職届テンプレート(横型).docx

 

縦型が基本的な形式ですが、会社が指定するケースなどで使用することがあります。
ポイントとしては記入の順番が次の通りとなり、縦書きの場合と異なるところです。

①タイトル(「退職願」または「退職届」)
②書類の提出年月日
③会社の正式名称、代表者の正式な役職名、氏名
*氏名の後ろは「様」か「殿」が一般的とされています。
④正式な所属部署名、氏名、シャチハタ以外の印鑑の捺印
⑤右揃えで「私事、」または「私儀、」の記入
⑥本文
*退職願は「退職いたしたくここにお願い申し上げます」、退職届は「退職いたします」と結び言葉が異なるので注意しましょう。
⑦右揃えで「以上」を記入
*本文で終わりにすると縦書きのときと異なり、文章の終わりがわかりにくいです。そのため、「ここで終わり」と示す「以上」を記入しておくと文章がここで終わると書類を受け取る側もわかりやすくなります。

 

まとめ

一緒に働く社員が去っていくのは寂しいですが、今後の躍進を応援したいと気持ちもありますし、退職する社員も円満に退職をして新たなステップに進みたいという気持ちがあると思います。

退職はどのような理由でも、周りの雰囲気を変えてしまうデリケートなものです。書類が「退職願」なのか「退職届」なのかで会社によって面談や手続きなど取扱う方法が変わることもありますし、取扱いを誤ると労使間のトラブルに発展してしまう可能性もあります。

書類を受け取る側も提出する側も、書類の違いなどの基本を知るだけではなく、お互いの話に耳を傾けて認識をあわせることや、周囲への気を配るなどのちょっとした思いやりを持つことによって、スムーズで円満な退職の手続きが出来るのではないかと思います。

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